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温泉づくり―ライバルとのタッグに転換 いわき湯本温泉(1/2ページ)

2010年4月5日22時32分

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【動画】温泉地を訪ねる 福島県・いわき湯本温泉

 福島県いわき市のいわき湯本温泉を拠点に3月中旬までの約60日間、「いわきフラオンパク」と題したイベントが続いた。プロダンサーのフラダンススクール、ジャンボメニューの食べ歩きツアーなど、住民と観光客らの多彩な交流・体験行事の見本市だ。

 フラはフラガール、オンパクは「温泉博覧会」を指す。3年目の今年のプログラムは112種で、2008年の第1回の2倍。観光客ら約1500人が参加した。「食」「文化」「芸能」「歴史」「工芸」など、地元資源を生かして交流人口を増やし、にぎわいづくりを狙う。

 実行委員長を務めたのは、旅館「古滝屋」若だんなの里見喜生さん(41)。「これまでは『待っていれば、旅行会社が客を連れてくる』という感じの経営者が多かった。旅館側から仕掛け、お客さんを呼ぶきっかけになれば」と期待する。

 湯本温泉は硫黄泉の泉質に加え、地の利がいい。JR常磐線湯本駅まで東京から特急で約2時間。車でも常磐道いわき湯本インターチェンジまで約2時間半だ。映画「フラガール」公開の効果もあり、06年の観光客はここ10年のピークとなる62万人に達した。

 観光客はその後減ったが、ポスト「フラ」に企画したのがオンパクだ。里見さんらは先進地の大分・別府八湯温泉などを視察し、ヒントを得た。地域ぐるみで成り立つ企画だけに「ハワイアンズのホテルや商店街の皆さんと、同じテーブルにつけたのがよかった」と振り返る。

 50年代半ばまで常磐炭鉱の町として栄えた。閉山後の66年に温泉リゾート「常磐ハワイアンセンター」(現スパリゾートハワイアンズ)が生まれた。ただ、温泉街と競合したため、両者の関係はよそよそしい時期も長く続いた。

 今は旅館経営者の若返りが進み、競合意識も薄れた。ハワイアンズ側も「観光産業として生き残るため、地域観光のひと役を担う」と温泉街との連携を強める姿勢だ。

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