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アメリカのトヨタ批判は保護主義とは関係ない――リチャード・カッツ 本誌特約(在ニューヨーク)(1) - 10/04/05 | 09:00

 車のリコールはアメリカで日常茶飯事だ。昨年、フォードは車速設定装置の欠陥で450万台のリコールを行った。しかし、リコールが新聞の見出しや議会の公聴会の対象となるのはまれである。

 では、なぜトヨタ自動車はここまで批判されるのだろうか。残念なことに、トヨタの幹部は、「トヨタはアメリカの保護主義の犠牲者だ」と思い込んでいた。沖縄の普天間基地問題に対するアメリカの報復であると断定するメディアもあった。だが現実には、議員の大半は普天間基地の名前さえ聞いたことがない。

 アメリカには、「日本の自動車会社のせいでGMやクライスラーが倒産した」と批判したり、1980年代のように日本車の販売を制限しようとしたりする者はいない。逆に環境対応の自動車に買い替える際の補助金“キャッシュ・フォー・クランカー”を得た67万台の自動車の半分は、日本製の自動車だった。

 またトヨタは議会に多くの友人がいる。3月2日に公聴会を行った上院商業科学運輸委員会のジョン・ロックフェラー委員長は、彼の選挙区であるウエスト・バージニア州へのトヨタ工場誘致を支援しただけでなく、豊田家とは家族ぐるみの付き合いがある。

 米下院監視・政府改革委員会のダレル・アイサ議員は、トヨタなどの自動車会社に警報装置を販売する会社の所有者だが、トヨタの不正行為を厳しく批判している。もう一人の委員もトヨタの株式を30万ドル保有している。

 トヨタだけが問題視される本当の理由は、アメリカ政府が「トヨタは過失を隠蔽する行動を取り、現在もまだ隠しているかもしれない」と信じているからだ。アメリカの法廷では事実を隠蔽したり、犯罪を否定したりするとより厳罰が下される。

 トヨタの問題が表面化する数週間前、バーモント州上院が建築後38年経った原子力発電所の認可更新を拒否した。この決定が覆らないかぎり、同発電所は2012年に閉鎖されることになる。その理由は、放射能漏れを起こしたからではなく、放射能漏れに関して会社が虚偽の声明を出したからである。

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