鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が裁判所の判決に従わず、懲戒免職にした元男性係長(45)に給与を支払わない問題で、給与未払いは労働基準法に違反するとして、元係長の弁護団が30日、市と竹原市長に対する告発状を鹿児島地検に提出した。
元係長は、竹原市長が市庁舎に張り出させた職員人件費に関する張り紙をはがしたことで、昨年7月、懲戒免職処分になった。元係長はこれを不服として提訴。鹿児島地裁は同年10月、判決が確定するまで免職処分の効力停止を命令した。
しかし、竹原市長はこれを無視。以降も職場復帰を拒み、給与も支払わなかったため元係長が提訴し、今月、鹿児島地裁は未払い分を支払うよう市に命じた。
労働基準法では、賃金未払いの場合、30万円以下の罰金が科される。弁護団は判決直後、竹原市長が支払わないことを見越して刑事告発する考えを示していた。
判決を受け、鹿児島地裁川内支部は遅延損害金などを含めた未払い給与約222万円について市の財産差し押さえ命令を出している。
告発状を出されたことについて竹原市長は、総務課を通じた取材に対し何もコメントしなかった。