哨戒鑑沈没:行方不明者家族の「美しい決断」(上)

投票で決定し反対者も納得、一般市民ら「つらい決心」を慰め

 今月3日午後9時40分ごろ、京畿道平沢市の海軍第2艦隊司令部の講堂に現れた「天安艦行方不明者家族協議会」(家族協議会)のイ・ジョングク代表(39)が、悲痛な面持ちで口を開いた。「(生存に対する)かすかな期待がないわけではないが、潜水要員が中に侵入する場合には、さらなる犠牲者が出ることが懸念されるため、これ以上船体内部への侵入を(軍に)要請しないこととした」

 哨戒艦「天安」の行方不明者を捜索するため、船体内部に救助隊員を投入する代わりに、船体を丸ごと引き上げてほしい、と軍に要請するという。船舶を引き上げる場合、中にいる行方不明者や遺体が損傷を受ける可能性がある。発表を終え、家族用宿舎に戻ったイ代表は、その場で倒れ込んだという。

 「捜索活動中断の要請」を発表する1時間ほど前の午後8時30分に、行方不明者の家族らは第2艦隊司令部の講堂に集まった。現場を見てきた家族との話し合いを終えたイ代表が、家族らの前に出て、震える声で「もう救助活動はやめて、引き揚げ作業を始めてはどうだろうか」と言った。この言葉を聞いた一部家族は、「どうして引き揚げなんて言葉が出てくるのか」「まだ生きているかもしれない」と声を上げた。講堂は一瞬で涙に包まれた。

弔旗を掲げる平沢市内の海軍アパート。4日、京畿道平沢市の海軍第2艦隊そばの海軍住宅に弔旗が掲げられている。3日に遺体で発見された故ナム・ギフン上士は、この海軍住宅に住んでいた。/写真=李泰景(イ・テギョン)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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