2005.12.11
サウスウエスト航空、雪のシカゴで「オーバーラン事故」
~最新の機材に、過信か?降りしきる雪のなか、ランディング。~
12月8日、降りしきる雪の中、シカゴ、ミッドウェー国際空港に着陸しようとしたサウスウエスト航空1248便がオーバーランの事故を起こしました。機材は、ボーイング737-700です。ランウエー後半で横滑りした事故機は、ランウエーエンドのフェンスを破って、混雑した道路(55th.st)にノーズギアから突っ込みクラッシュしました。
事故に巻き込まれた車に乗っていた、6歳の少年が死亡しました。乗員乗客(98名と5名)は、幸いにも4人の軽傷者が出たにとどまった模様です。なお、乗客は、吹雪の中、スライド(滑り台:inflatable slides)を使用して脱出しました。
サウスウエスト航空は、会社設立以来35年で、初めての事故となりました。
19:15分ランディングしたわけですが、この時刻のミッドウェー空港周辺の天気は、吹雪(heavy snowと報道されています)で、20センチ(7インチ)ほどの積雪があったとのことです。
この1248便は、空港上空で30~35分ホールディングした後、着陸しました。管制官の話では、着陸しようとした機体が見えなかったとのことです。相当な雪ですね。
事故原因については、NTSB、8国家輸送安全委員会)FAA(連邦航空局)のもと、調査中となっていますが
事故後の「NY TIMES」によれば、タッチダウンしたポイント、パイロットのブレーキ・逆噴射の動作に注目して捜査が進められているとしています。
この空港は、シカゴ・オヘア国際空港に次ぐものですが、75年以上前にプロペラ機専用の空港として作られたもので、着陸時にエラーがあったときにバッファ(ランウェーエンドから1000フィートを確保する)が足りないと言われており、パイロットからも天候が悪いときは、難しいとコメントがされています。2003年にNTSBからの勧告で、バッファーが足りない全米に600あるという空港には、ランウェーを伸ばせない場合は、航空機が止まれるような障害物を作ることが義務付けられました。この空港もそのように設備されたのですが、今回の事例では役に立たなかった
と言うことになります。
アメリカのメディア報道を見ますと、今後、航空会社、官制は、こうした気象状況では、「代替空港」に向かうべきだったのではないか、と言う基本的な姿勢を問われることにもなりそうです。
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