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全日空の機胴体着陸

コーヒータイム記事
全日空機胴体着陸しかし




今回と同型機のDHC8-Q400(カナダ製)は2004年6月から本日までに就航4年間で日本国内で78回ものトラブルや不具合を発生しているという。全日空ではトラブルの多さから製造元のボンバルディア社と共同で専門チームを2005年から立上げ改善に努めてきたという。

DHC8-Q400は2003年から初回導入がされた新型機のプロペラ機である、滑走路が短くても着陸できる点と1機30億円と比較的他の機体より安い(プロペラであることと中小型のため)ことからYS-11の代替として投入されるケースが多い、搭乗口の階段が低くて済むことから離島への就航にも適している。ボンバルディアのこの機体は同タイプ(DHC8-Q400)を含め国内に36機ありJALとANAだけでも29航路で飛んでいる。
(リストは以下に添付)

DHC8-Q400

本日、国土交通省は36機の点検の指示を即座に出し同型機の運行はすべて欠航とし延べ3500人が足止めとなった。国土省はカナダ政府とボンバルディア社に対し異例の「耐空性改善通告」を出している、これはきわめてシリアスな問題の場合にのみ要求しているようだ。

このDHC8-Q400は機材のトラブルで欠航した率が0.33%に達しジャンボ機と比べるおよそ8倍の数字だという。つまりジャンボ機の8倍危険だということ。昨年、松山行きと新潟行きの二回の同型機で車輪がすべて下りなかったトラブルを起こしている。

トラブルを予見する資料
日本乗員組合連絡会議、報告書PDF





翌日の原因調査発表記録

3月13日高知空港でのトラブルの原因

3月15日、前輪格納装置のボルト1本が原因と全日空は発表した。そうならないための対策は無かったのだろうか? ボルトは固定し抜けないものを使用することはできなかったのだろうか。

どうやらボルトひとつの原因ではなく設計での安全措置に問題があったと言える。ボルト1本でこれだけの大騒ぎになる。





3月13日、胴体着陸DHC8の記録


以下は全日空が公開した管制とのやりとりの一部と乗客から報告によるもの

8時10分
定刻通り大阪伊丹空港を離陸
到着予定時刻は40分後の8時50分

8:49分
滑走路32へ進入中(空港の東側約5km)のA機から、「ギアが降りないので、トラブルシューティングを桂浜上空3000フィート(約900m)で実施したい。」と通報

9:14分
A機から、「ノーズギアが降りたか確認できないので滑走路上で低空飛行(ロー・アプローチ)をして、整備士に確認してもらいたい。

9:20分
ローアプローチを実施、整備士がノーズギアが出てこないことを確認。管制官も、ノーズギアが出てこないことを確認。桂浜上空へ向かう。

この時点で機長は即座に乗客に状況をアナウンス

9:28分
A機から、2回目のアプローチを要求。

9:33分
管制官が許可を発出。

9:35分
2回目のアプローチを実施。

10:02分
乗客に急旋回し前輪を下ろす試みをすることを機長がアナウンスする
しかし急旋回ではなく、普通の旋廻

10:19分
A機から「タッチアンドゴーを実施し、衝撃にてノーズギアが出るかどうか確認したい。」と要求

10時24分
管制官は、タッチアンドゴーの許可を発出。
機長は即座に今の状況と予定を乗客にアナウンス

10:25分
タッチアンドゴーの体勢に入る

10時26分
タッチアンゴーを行うも前輪は降りず。上昇する。

10:26分前後
何度か後輪を出し入れし前輪を刺激

※着陸予定の滑走路部位に消化剤があらがめ散布され
予想される発火防止の措置(管制から)

10:36分
胴体着陸することを乗客にアナウンスし
乗客は中央より後ろに移動、クルーが安全姿勢の説明
でペン・ネクタイ・携帯電話などを外すように指示

10:40分前後
この時点で残り10分程度で燃料が空になることを確認
機長と管制とのやりとりで胴体着陸の準備・確認に入る

10:45分
胴体着陸の準備に入る、同時に機内アナウンスで
胴体着陸までの説明を乗客にアナウンス

10:51分
着陸までのカウントダウンを告げ、乗客に安全姿勢
をとる指示をし着陸タイミングを伝える

機内は緊迫した空気に包まれる

10:54分
胴体着陸に成功、乗客・乗員は無事
機内では乗客による拍手が起こる





機長と管制・クルー・乗客・整備・消防・事務所との連携がとられ冷静で適切な対応だったのではないだろうか。

全日空の幹部は謝罪をし数度に渡り会見をし常に説明をする態勢を空港・家族・マスコミに対してとっていた。

私は当日の全日空の対応は正しかったと見ている、普段からの危機対応への備えがこうした時に現れる

課題

しかしながら課題もあった、VTRを見ると誰でも分かるように胴体着陸の最初の部分で白い消化剤の散布されている高知空港滑走路に着陸してくるシーンがある。

着陸で最初にタイヤが接している部分で白い防火剤とタイヤは接し、白く風に舞う消化剤が確認できる。しかし、機体がストップする150m手前の部分から消化剤の白い形跡は見られず、結果として火花が散っている。

このあたりがぬかりがあった、到着地点を連携で指定しストップ地点を科学的に計算をし防火剤をまいておくことはできなかったのだろうか?

進入スピードと摩擦、機体の抵抗を計算に入れ更に安全な方法を模索することは難しくはないはずだ。

そうすれば「火花も散らない」着陸が今回可能だったと思われる

JEEP考察






ポンバルディアは路面電車メーカー

ポンバルディア社はもともとオーストリアの路面電車メーカー、しかし今は数々のM&Aによりカナダの重工業組織で保有している。現在世界第二位の鉄道車両メーカー。

日本でも熊本・岡山・富山の路面電車がポンバルディアの車体を運行している。航空部門のボンバルディア・エアロスペースは日本の企業にも機体の製造を部分発注し今回のQ400機も胴体半分は三菱が製造しているという。

短い滑走路で運行でき内部の静粛性が高いことで同機は800機ほどすでに世界中に販売され運行されている




危機対応方法に潜む分岐点

全日空はこの一件冷や汗モノだったのではないだろうか、過去の経営体質からの脱却をし赤字を黒字にしたばかり、やっとの思いで社員一願となって会社を救った。しかしここ数ヶ月の燃料の高騰と値引き競争での厳しい状況の中、安全運行だけが最大で最重要な目標であった。

本日の事故の過失はやはり当然全日空にある、しかし会社が情報を出すのが早かったのでテレビ・ラジオは機体が着陸する数分前から空港に待機していた。テレビカメラはその全貌をお茶の間になんとライブで届けた、更に着陸後30分で全日空は会見を行い謝罪している。

全日空は「危機対応をいまやっている」という生の対応状況を全国に自らをガラス張りにして伝えた。私はいままでにこのような航空会社を見たことがなかった、いままでの日本の会社は会社にマイナスな情報は調整して外部に届け、その調整時間で2時間は遅れて出されていたような気がする。

早期に会見をし謝罪をした全日空、危機対応にはいくぶんかの改善や努力はみられはしたのは評価はできる、がしかしトラブルが多い機体と分かっていたにもかかわらず乗客を乗せるという姿勢は受け容れられない。




三菱の危険性

全日空に責任はあるものの、ここまでくるとやはり「三菱重工業」の製造責任が明確ではないだろうか、日本の宇宙開発まで担っているメーカーである三菱の信頼は著しく傷ついている。先日発射に成功した偵察撮影のH2ロケットを製造するメーカーがこのようなミスをするのでは恥ずかしい。

2度のロケットの失敗、トラック・車部門での数々のトラブル。日本の一流メーカーというのは名ばかりである
NHKは今回もボンバルディア製の機体とまでしか報道していない。マスコミは三菱重工業の過失までをも徹底的に報じるべき、恥を正面から晒し毒抜きを徹底して行うことで欧米への信頼はかえって高まると思う、それが外国の目だ。

全日空は包み隠すことなくすべてを公開した、三菱にこれが出来るのだろうか? 国家防衛にまで携わりやもすれば日本防衛の弱点と読まれかねない、そのメーカーの恥を世界にさらしてまで毒抜きをやれるのだろうか?

いま現在のところ全日空では同型機の使用を止めるという意思を示していない、ならば我々乗客は搭乗拒否をすればよい。

個人の知識で安全性を確保する

安全性が高まるまでは

ボンバルディア社の飛行機に予約を入れない





国内就航中のボンバルディアDHC8-Q400機体の国内乗客路線リスト

ANA[15航路]
エアーニッポンネットワーク 13機所有

大阪⇔高知
大阪⇔松山
大阪⇔石見
大阪⇔佐賀
大阪⇔福岡
大阪⇔新潟
大阪⇔大館能代
名古屋⇔松山
名古屋⇔福島
名古屋⇔新潟
名古屋⇔福岡
名古屋⇔秋田
福岡⇔福江島
神戸⇔新潟
福岡⇔対馬

JAL[14航路]
J-AIR+日本エアコミューターでQ400を17機所有

大阪⇔信州松本
大阪⇔隠枝
大阪⇔出雲
大阪⇔松山
大阪⇔福岡
大阪⇔宮崎
大阪⇔鹿児島
大阪⇔種子島
鹿児島⇔種子島
鹿児島⇔屋久島
鹿児島⇔沖永良部島
鹿児島⇔与論島
福岡⇔信州松本
福岡⇔鹿児島

その他

エア・ニッポン・ネットワーク(ANA系)

ボンバルディアDHC8-300型機

羽田⇔大島
札幌丘珠⇔函館
札幌丘珠⇔釧路
札幌丘珠⇔紋別
千歳⇔女満別
千歳⇔利尻
千歳⇔稚内

琉球エアーコミューター(JTA JAL系)
DHC8-Q400使用

那覇⇔与論島
那覇⇔南大東島
那覇⇔北大東島
那覇⇔久米島
那覇⇔奄美大島
那覇⇔与那国島
那覇⇔多良間島
那覇⇔慶良間島

宮古島⇔石垣島
宮古島⇔多良間島

天草エアライン

熊本⇔天草
福岡⇔天草
熊本⇔松山


その他後日変更、追記あり






危険と分かっていながら続く危ない運行


3月13日 同日

中標津空港でも同機のトラブル


今の時点でどこにも書かれていないが、北海道中標津空港でも本日、同型機のエンジンから停止後に煙が出ているのが発覚している。本日同日中に同型機がトラブルを起こしているというのが本日のこのニュースの正確な全貌のようだ。



3月20日 

熊本で緊急レバーで車輪出し着陸

国土交通省によりると、20日正午ごろに熊本空港に着陸しようとした天草エアラインのDHC8型機が、通常の操作で3つある車輪すべてが出なかったため、緊急レバーを使って車輪を出して空港に着陸した。

この旅客機は、天草空港発熊本空港行きで乗客15人と乗員3人のあわせて18人が乗っていた。この旅客機は、今月13日に高知空港で前輪が出ずに胴体着陸した旅客機と同型機、13日の事故を受けて同型機を対象に行った点検では異常は報告されず天草エアラインは現在トラブルの原因を調べている。

21日、車輪を下ろす油圧バルブをコントロールする電気系統が接触不良であったことが原因として報告された。同日、天草エアラインでは全便欠航とし全機体を調べている。


4月3日 圧装置に異常

3日午後4時35分ごろ、三重県四日市市の上空約1800メートルで、中部国際空港発松山行き全日空1827便(ボンバルディアDHC8―402型機)が客室の与圧装置に異常があるとして15分後に中部空港に引き返した。乗員・乗客22人にけがはなかった。



関連リンク

コーヒータイム記事
全日空機胴体着陸しかし

国土交通省 航空事故調査新着情報
国内の航空事故の情報はここで調べられます

航空ニュースネット



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