後藤洋央紀をスリーパーホールドで追い込む中邑真輔(左)
「新日本」(4日、後楽園ホール)
IWGPヘビー級選手権試合は王者・中邑真輔(30)が同期の後藤洋央紀(30)の挑戦を退け、6度目の防衛に成功した。
ノアの杉浦貴に3連敗するなどどん底まで落ちるも、ニュージャパンカップを制してはい上がってきた後藤に追い込まれた。ボマイェを荒鷲づかみからの牛殺しで返され、裏昇天は腕ひしぎに切り返したものの、さらに昇龍結界で返される。
劣勢を救ったのは伝家の宝刀のヒザだった。ラリアートに来た後藤の顔面にカウンターでブチ込み、ボマイェで逆転の3カウントを奪った。
17歳のとき新潟で開催されたレスリング大会で出会ってから13年。大学では対戦経験もある。「後藤の実力、持ってるものはオレが一番知ってる。負けたヤツに贈る言葉なんかないけどアイツとやれて光栄、楽しかった。きょうは後藤、なんかはき出したように思ったよ」と、珍しく温かい言葉を出した中邑だが、王者に休息はない。
真壁刀義に挑戦を迫られ、ラリアートで1回転させられた。「あんな真壁でもいい」と受諾した中邑の目に、もう感傷は残っていなかった。
(2010年4月4日)