人気ハンバーガー店のNY進出はウソ、手の込んだいたずらに怒りや失望。

今年も世界各地でさまざまな“ウソ”が繰り広げられたエイプリルフール。クスッと笑えるものから、本当かどうか判断に迷うものまで、各所に“ウソ”が溢れたが、米ニューヨークでは一般市民のグループが空き店舗に「西海岸で人気のハンバーガー店がニューヨーク進出」との張り紙を勝手に掲示するいたずらを用意した。これにはすっかり騙された市民も少なくなかったようで、失望の声も聞かれているという。

舞台となったのはマンハッタンにあるユニオンスクエアで、2009年5月末までヴァージン・メガストアが入っていた場所。英国資本のヴァージン・メガストアは不振を受けて米国からの完全撤退を決め、昨年5月でユニオンスクエア店を閉鎖、その跡地に目をつけたグループがエイプリルフールに乗じて“ウソ”を仕掛けた。　　

それは米西海岸で展開する人気ハンバーガー店の「In-N-Out Burger（イン・アンド・アウト・バーガー）」がマンハッタンにやってくるというもの。このチェーン店は「およそ250の店舗すべてが西海岸」（米放送局FOXニューヨークより）にあるため、いざ食べたくなったとしてもニューヨーク近辺では口にすることができない。しかしイン・アンド・アウトは、食材や調理へのこだわりが評判を呼び、西海岸以外の米国民からも高い支持を受ける人気店。そんな人気店がニューヨークの空き店舗に「2010年夏、開店予定」と大きな張り紙を出したため、期待したニューヨーカーも少なくなかったようだ。

ニューヨークの話題を伝えるブログ「Gothamist」では、張り紙を出している店舗の写真を掲載。そこには、制服を着た従業員らしき男女2人が通行人に宣伝している様子も写されており、インターネット上で「東海岸進出か」と多くの人の目を引いた。だが、そんなニューヨーク市民の期待も虚しく、やはり話はエイプリルフールの“ウソ”というオチに……。

仕掛けたのは、面白い記事や動画を紹介するサイト「College Humor」のメンバー。彼らは「みんなを信じさせようと、ニューヨークでいたずらを仕掛けた」と説明し、店舗に貼り出したポスターを囲んだメンバーの写真も掲載してネタばらししている。またイン・アンド・アウトの関係者も、ブログ「Gothamist」に対して「誰かが私たちを騙ってからかっている」と話し、ニューヨーク進出の計画をきっぱり否定したという。

エイプリルフールとはいえ、これにはニューヨーカーも失望。「Gothamist」のコメント欄にも「なんて酷い」などの意見が見られる。また、ほかのブログやSNS、Twitterでも「今までで最も酷いいたずら」「もう酷いなんてもんじゃない、悪質だ」（FOXニューヨークより）といったコメントもあったようで、「エイプリルフールだから」と笑って片付けられない人も少なくないようだ。