ニューヨーク(CNNMoney) トヨタ車の急加速問題をめぐりラフード米運輸長官は30日、原因究明のために米航空宇宙局(NASA)の科学者が調査に加わることになったと発表した。NASAがこうした形で政府機関の調査に協力するのは比較的稀だという。
調査に加わるのは、空中分解を起こしたスペースシャトル「コロンビア」の事故原因究明のため、2004年に設置されたNASA技術安全センターに所属する科学者9人。トヨタ車で電磁干渉が電子スロットル制御システムに影響を与える可能性について調べるほか、電子工学、ハードウェア、ソフトウェア、危険分析などの分野でも助言する。調査はこの夏の後半をめどに完了する見通し。
またこれとは別に、全米科学アカデミー(NAS)は自動車業界全体について、急加速と電子制御システムに関する調査に乗り出す。調査期間は15カ月を見込んでいる。
トヨタ車が急加速して事故につながったとされる問題について、これまで外部の専門家などからは、電子系統の欠陥の可能性を指摘する声が出ていた。これに対してトヨタは、問題は機械的なものであり、電子系統は安全だと反論している。
トヨタ広報のセレスティ・ミリオレ氏は「NASとNASAが論議に加わることを歓迎する。科学的な視点から徹底した調査が行われることを期待したい。事実と作り話を区別することは、車の利用者にとっても業界全体にとっても望ましい」と話している。