２度ダウンも中川ドローでベルト死守…日本ウエルター級戦

３回、中川（左）のアッパーカットが井上のあごにヒット

　◆報知新聞社後援　プロボクシングダイナミックグローブ　▽日本ウエルター級タイトルマッチ　△中川大資（１０回　引き分け）井上庸△（３日・後楽園ホール）　日本ウエルター級王者の中川大資（３２）＝帝拳＝が引き分けで３度目の防衛に成功した。同級１位・井上庸（２８）＝ヤマグチ土浦＝に２度ダウンを奪われたが、終盤に追い上げ、三者三様の判定でベルトを死守した。中川の戦績は１６勝（１１ＫＯ）２敗１分け。東洋太平洋ミドル級王者・佐藤幸治（２９）＝帝拳＝は同級２位の李在明（２７）＝韓国＝に４回２分４１秒でＴＫＯ勝ちで初防衛。佐藤の戦績は１６勝（１４ＫＯ）１敗。

　「粘りの中川」の本領発揮だ。９回、連打からの左フックで初めてダウンを奪った。最終１０回、終了のゴングが鳴る寸前まで左右の手を休めなかった。薄氷のＶ３達成に「情けない。勝ってないんで」と苦笑いだ。

　第１ラウンドの中盤、右フックで尻餅をついて初ダウンを奪われ、２回にも右手を地面に付けて２度目のダウン。「ダメージはなかったけど、ポイント的にはまずいと思った」。トリッキーな動きでパンチを重ねる井上に苦しめられたが、耐えに耐え、終盤の打ち合いに持ち込んだ。

　先月２日に第１子の長女・心花ちゃんが誕生。「練習で今まで一番追い込めた」と娘の存在を励みにした。「次は勝ってリングの上で娘を抱っこしたい」と傷だらけの王者は次なる夢を描いた。