偽札151枚、クレープ代やＴＤＬ…で行使

　警視庁と、群馬、埼玉、千葉、静岡の４県警の合同捜査本部が２７日までに、偽造通貨行使の疑いで、東京都北区の無職本多一善容疑者（２４）と、板橋区の１９歳の無職少年２人を逮捕した。逮捕容疑は２月１４日、埼玉県熊谷市内のクレープ店で、女性店員に２度にわたって、計１２００円のクレープ代金に偽１万円札を使用した疑い。店側が閉店後に偽札に気がついたという。３人は調べに対し、容疑を認めているという。

　警視庁捜査２課などによると、３人が使用したとみられる偽札は本物を両面コピーしたもの。すかしはなく、全体的に赤っぽい色合いで、福沢諭吉の肖像画のある表面の偽造防止ホログラムの光沢もない。同様の特徴のある偽札は、今年１～２月に、東京、群馬、埼玉、千葉、神奈川、長野、静岡の１都６県のコンビニや飲食店、東京ディズニーランドなどで計１５１枚見つかっている。

　東京ディズニーランドでは、２月２１日、園内のワゴン店舗で複数回にわたって偽札が使用された。ランド側が閉園後に気付き、翌日に千葉県警浦安署に被害届を出した。３人は逮捕を避けるため、タクシーなどで各地を転々としながら、偽札の使用を続けていた。タクシー代金も、偽札で支払っていたという。

　２少年と、本多容疑者は「地元の仲間」。少年のうち１人が２月、渋谷区内のコンビニで偽札を使用した疑いで逮捕され、周辺の捜査で、もう１人の少年と本多容疑者が浮上した。同容疑者の自宅からも、偽札が発見されたという。合同捜査本部では、偽札の入手先についても捜査。通貨偽装にかかわった仲間がいるとみて調べている。

　［2010年3月28日9時57分　紙面から］