【名護】米軍普天間飛行場の移設先を名護市辺野古沿岸部とする現行案を条件付きで容認してきた普天間代替施設推進協議会(名護市辺野古、宮城安秀会長)は28日、現政府が検討しているキャンプ・シュワブ陸上への移設案に反対する姿勢を示し、事務所の看板を外した。
宮城会長は「陸上案推進とみられたくない」とした上で、「普天間の危険性放置はだめで、シュワブ陸上ならいいのか。埋め立ては辺野古沖はだめで勝連沖ならいいのか。県民を混乱に陥れている」と、政府の対応に怒りを示した。
推進協は普天間飛行場の辺野古沖移設を推進することを目的に2005年7月、地元有志が結成。基地建設による雇用増加など地域活性化を訴え、推進派の中心的役割を果たしてきた。
ただ、看板撤去が組織解散の意味ではなく、「区民の意思に沿って形を変え継続していくことになる」(宮城会長)という。
13年前から推進運動に携わってきた古波蔵謙さん(42)は「一生懸命やってきたので感慨深い。地域活性化を願う気持ちは変わらないので、違った看板になるかもしれないがまた掲げたい」と話した。
市に契約拒否要望
区検討委員長
【名護】米軍普天間飛行場移設問題で、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ陸上案に反対を表明している辺野古区の普天間代替施設等対策検討委員会の古波蔵廣委員長は28日、「新基地に反対して当選した市長ならばわれわれと同調していただけるはずだ」と述べ、政府が陸上案に決定した場合は市がシュワブ内に所有する軍用地について契約更新を拒否するよう求める考えを示した。
辺野古、豊原、久志の3区は、陸上案に決定した場合はシュワブ内に所有する軍用地の契約更新拒否を検討している。
一方、稲嶺進市長は同日、「今ある基地を全部撤去するようなことまで考えないと整合性がとれないと思う。結びつきにくいのではないか」とし、古波蔵委員長の提案に現時点では否定的な考えを示した。
「ただ地元でそういう声が上がっているのであれば内部で話し合わなければならない」とし、市幹部や市議らから意見を聴く方針。