秋の宮島


1999.11.19

「しまなみ海道」の完成を機会にこの秋、安芸の宮島を訪ねてみた。
久しぶりの訪問だが、懐かしい。
日本三景の一つ、とされるだけあって観光客が多いのが嬉しい。
むかし栄えた観光地に行って、さびれているのを見るほど悲しいことはない。
宮島の象徴、厳島神社はこの夏の台風で、社殿の一部が被害を受けたが、それも修復がすみ、修学旅行の高校生で一杯だった。
ここを訪れる観光客は年間300万人。世界文化遺産になったり,NHKの大河ドラマ「毛利元就」がヒットした平成9年の312万人をピークに、すこし減っている。
宮島町観光協会の話では、修学旅行生は減る傾向にあるが、「先ずは不景気、それに各地にどんどんテーマパークなどが出来てきたのが大きい」そうだ。
明石海峡大橋、「しまなみ海道」はあまり影響してないようだった。
                 MONG@


相変わらず修学旅行生が多い。創建1200年の社殿はこの日、大潮で床ぎりぎりまで海水が上がり、ガイドは「宮島が一番さえて見えます」と強調していた。

厳島神社のシンポル、赤鳥居。これを写真に撮らずには帰れない。幸い満潮で、鳥居の近くにはいっぱい藻が浮いている。あの下に、おいしい魚が群れをつくっているだろうな、と思った。

観光客のバックは勿論、赤鳥居。カメラマンが鹿を追う。

「世界文化遺産」になって訪れる外国人は増えた。彼らは団体行動しない。ゆっくりと時間をかけ、島のすみずみまで見て回る。行き帰りのフェリーの中は、国際色豊かだ。
鹿は追っても追っても離れない。「鹿を自然に返そう」と去年から、島を上げて鹿にエサをやらない運動に取り組んでいるが、効果は今ひとつのようだ。観光客が協力しないこともあるが、鹿も観光客の手から紙袋をかすめたりする
秀吉が建てた千畳閣は、がらんとしていた。

老舗旅館の「岩惣」は伊藤博文、夏目漱石らが訪れたところ。ロープウェーの乗り場への途中にあり、綺麗な紅葉が見れる
ロープウェーで山頂の弥山に上がると、モンキーセンターがある。早くから餌づけをやめており、サルは自然に帰って、街に降りて行かない。

西厳島神社の南の谷間にそびえるのは、真言宗御室派大本山「大聖寺」。子供の成長を祈願する人が絶えない。原生林に覆われた山頂の弥山には弘法大師が修行した遺跡があり、訪れる人が多い。

宮島と言えば、「しゃもじ」。宮島には特産がなく、貧しい人たちのために、島の僧が教えて売り出したそうだ。町観光協会の人は「売り上げは名物の饅頭に次いで多い」らしい。