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社説

与謝野氏離党 自民が壊れ始めている(4月4日)

 自民党の与謝野馨元財務相が離党届を提出した。

 無所属の平沼赳夫元経済産業相らと近く新党を結成する計画だという。

 園田博之元幹事長代理も行動を共にする考えを明言した。

 党内でほかにどれほどの同調者がいるかははっきりしない。

 とはいえ政策通として知られ、重要閣僚や党政調会長などの要職を歴任してきた与謝野氏だ。求心力低下が著しい谷垣禎一総裁にとって、大きな痛手となるのは間違いない。

 与謝野氏は先月、月刊誌の論文で「鳩山(由紀夫)政権を倒すという気構えもうかがえない」として谷垣氏の辞任を要求していた。

 だが谷垣氏がその後、執行部人事を否定したことから、最終的に離党を決断したのだろう。

 「政治とカネ」の問題などで鳩山内閣の支持率は低迷が続く。民主党の支持率も下落しているのに、自民党の支持は回復しないままだ。

 夏の参院選前に第三極を形成し、民主党批判票の受け皿となれば、その後の政局でキャスチングボートを握ることができる−。新党結成にはそうした思惑が読み取れる。

 だが新党の旗印は何だろう。財政再建を最優先課題と主張する与謝野氏と、保守色の強い平沼氏との間にどういう政策の一致点があるのか、肝心な点が見えてこない。

 これでは政界生き残りのために離党−新党結成を繰り返した、かつての永田町ゲームと二重写しになってしまう。政治的な打算ばかりが先行するようでは、有権者に共感を広げることはできまい。

 与謝野氏にはどんな政策体系で民主党政権と対抗しようというのか、具体策を示してもらいたい。

 一方、谷垣氏は八方ふさがりである。先週の党首討論では鳩山首相を厳しく追及して反転攻勢の構えを見せ、異例の両院議員懇談会を開いて結束を呼びかけていたところだ。

 与謝野氏の離党は、そこへ冷水を浴びせたと言える。

 参院選の選対本部人事をてこに党内の不満解消を図ろうとしても、執行部批判の急先鋒(せんぽう)である舛添要一前厚生労働相の取り込みに成功せず、狙い通りに進んでいない。

 半年前に党再生を託したばかりの総裁である。不人気だからとまたぞろ首をすげ替えるのでは無定見のそしりを免れない。だが、そうした動きに有効策を打ち出せない執行部の力量不足も明らかだ。

 昨年夏の衆院選で野党に転落して以来、所属国会議員の離党は与謝野氏で7人目となる。

 国会論戦でもさっぱり野党らしさを発揮できない。自民党はいよいよ自壊し始めたようだ。

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