砂川事件の“米工作”を一転開示 駐日大使と外相会談録米軍旧立川基地の拡張計画に絡む「砂川事件」で、米軍駐留を違憲とした1959年の東京地裁判決(伊達判決)直後、米側がこの判決の破棄を狙って持ち掛けたとされる会談の関連文書について、外務省が「存在しない」としていた姿勢から一転、開示したことが3日、分かった。 政権交代を機に昨年10月、2度目の文書開示を求めた同事件の元被告の一人、土屋源太郎さん(75)=静岡市葵区=らの請求に応じた。開示決定は3月31日付。 土屋さんは「存在しないとしてきた文書が出た意味は大きい。ほかにも関連文書がある疑いも残り、調査を続ける」と話している。 開示されたのは、当時の藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使との会談内容を記した「藤山大臣在京米大使会談録」の計34ページで、伊達判決2日後の59年4月1日付。読みにくい部分があり、支援の弁護士らが今後、内容を精査する。 砂川事件をめぐっては、伊達判決直後にマッカーサー大使が藤山外相と面談し、東京高裁へ控訴せずに最高裁に上告する「跳躍上告」を勧め、最高裁長官とも密談していたことが、機密指定を解除された米公文書で2008年4月に判明。 【共同通信】
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