師弟対決が決まった吉田秀彦(左)と中村和裕=東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京
「ASTRA」(25日、日本武道館)
総合格闘技を引退する1992年バルセロナ五輪柔道男子78キロ級金メダリスト・吉田秀彦(40)=吉田道場=の引退試合の相手が、一番弟子の中村和裕(31)=同=になることが1日、都内で発表された。
吉田は「やりづらいのは確かだが、負けるわけにはいかない。私情抜きで、ガチンコでやり合おうと思う」と口元を引き締めた。両者をマネジメントするジェイロックの國保尊弘代表によれば、吉田は09年1月4日の菊田早苗戦後に引退を決意。「最後はカズで」と明言した。最後の相手として、さまざまな選手の名前が挙がったものの、吉田にもう迷いはない。
中村は、吉田が総合に転向した翌年の03年、後を追って吉田道場の門をたたき、第1号の東京・梅ケ丘道場でともに汗を流してきた。すべてを知る間柄だけに、吉田は「僕の持っているものを全部アイツに渡す意味でも、ここでやっといていい」と後継者に指名。「きょうから一切、口をきかない」という中村に「カズのスタイルできてもらいたい」と、穏やかな笑みを浮かべていた。
(2010年4月3日)