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フィギュアスケートの世界選手権(イタリア・トリノ)で男子初の金メダルを獲得した高橋大輔(24)=関大大学院=が2日、大阪府庁で橋下徹知事(40)から直接謝罪された。「感動大阪大賞」を授与された席上、橋下知事が08年の就任当時、かつて高橋が練習拠点にしていた大阪府内のスケートリンクの廃止を検討したことにふれ、「ご迷惑をかけた」と謝った。
世界選手権の金メダルと、バンクーバー五輪の銅メダル。高橋が披露した2つの勲章の威光が効いたわけではないだろうが、橋下知事が切り出した。
「りんスポの件は、いろいろご迷惑をかけました。ああやって声を出していただき、府民としてあんなうれしいことはなかった」。突然の謝罪に、金メダリストは「いえ、いえ」と戸惑いを隠せなかった。
2人の“因縁”は2年前にさかのぼる。08年2月の就任後、知事は府の財政再建案を提示。その中には、高橋が04年から2年間、練習場所としていた臨海スポーツセンター(SC)など府立25施設の廃止、売却案が記されていた。高橋は存続を訴えるイベントに参加。マイクを握り「スケーターとして心が痛む。なくなってほしくない」と呼びかけた。その後、経営改善策などが認められ、廃止が見送られた。
頭を下げた知事の絶賛の嵐は終わらない。「わざわざ金メダリストに来ていただくなんて」「880万府民を代表して、感動した」「ジャニーズのタレントさんみたいにかっこいい」と続けた。締めくくりは、かつてスケート施設を切り捨てようとした張本人が「府でやれることは限られていますが、協力できることがあれば」と言った。
高橋は府庁などを表敬訪問した後、母校・関大で学長表彰を受けた。来春に卒業する予定だが、進路について「これからもスケートがいい環境で続けられればいいと思ってます」と話した。さらにスケートの注目度を高めるためにも、連覇のかかる来年3月の世界選手権(東京)へ万全の準備で臨む。
◆臨海SC廃止問題 橋下知事は就任早々、財政非常事態宣言を出し、08年度で1100億円の予算削減を掲げた。職員の人件費などとともに府の施設にもメス。臨海SCや大相撲春場所が行われる府立体育会館などは、経営改善を条件に存続が認められたが、国際児童文学館など6施設は廃止が決まった。
(2010年4月3日12時01分 スポーツ報知)