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特産の梅が凍霜害、梅干し用全滅で廃業の懸念/小田原

2010年4月3日

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「寒の戻り」の被害を受け変色した梅の実

「寒の戻り」の被害を受け変色した梅の実

 県西部の特産品の梅が「寒の戻り」による深刻な凍霜害(とうそうがい)に見舞われた。小田原市では「十郎」などの梅干し用がほぼ全滅とみられる緊急事態。梅酒用の「白加賀」は遅咲きのため、今後の結実にいちるの望みがあるものの、「栽培をあきらめる農家が現れなければいいのだが…」という悲痛な声も聞かれる。

 県内最大産地の曽我梅林。「95%が駄目になった。壊滅的な打撃だ」。小田原市梅研究会の柏木清一会長(68)=同市上曽我=は、肩を落とした。60年近く栽培に携わってきたが、「未曾有の被害」と説明した。

 春の深まりに細胞分裂を活発化させ、実を膨らませていた梅を「想定外の冬」が直撃した格好だ。

 柏木さんは約20アールの畑で約80本を栽培する。十郎と白加賀の割合は6対4。凍霜害は2001年に続く2回目だが、前回の被害は40%にとどまった。

 同研究会に所属する農家約170戸のうち、数十戸はミカン栽培を兼ねる。柏木さんもその一人で「梅とミカンの収入は半々」という。

 年間約2・5トンを収穫している柏木さんの場合、JAかながわ西湘(小田原市成田)に十郎と白加賀の生梅約1・5トンを出荷、十郎約1トンは梅干しとして漬ける。生梅は1キロ当たり400~500円で出荷、梅干しは店頭で同2千~3千円で販売される。十郎の壊滅で、白加賀の今後の結実にわずかな望みを託すが、収入の減少は必至だ。「東京都内などに初物を待つお得意さまもいるので申し訳ない」。柏木さんは栽培農家の心境を代弁した。

 「5月に品評する梅があるだろうか」。品評会の開催すら危ぶまれる。開花に合わせて毎年開催される「小田原梅まつり」(1~2月)に梅干しが並ばない事態も危惧(きぐ)され始めた。

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