3日午前、ニューヨークのアップルの店舗で、発売直後にiPadを手にして報道陣の撮影に応じる購入者=山川写す |
【ニューヨーク=山川一基】米アップルは3日午前(日本時間同日夜)、世界に先駆けて米国で携帯端末「iPad(アイパッド)」を発売した。インターネットで購入した書籍、新聞、動画などを手軽に楽しめる。音楽の売り方で「革命」を起こしたアップルだけに、書籍販売にも大きな影響を与えるとみられる。日本発売は4月後半の予定。
iPadは9.7インチの液晶画面をもち、縦24.3センチ、横19.0センチ、厚さ1.3センチ、重さ680グラム。キーボードはなく、同社の携帯電話「iPhone(アイフォーン)」のように画面に指で触れて操作する。
無線LANでネットにつなぎ、書籍や新聞をダウンロードできるほか、ネットサイトの表示、メール、ビデオ、音楽、ゲームなども楽しめる。すでにiPhone用に販売されている15万個以上のアプリケーション(ソフト)が使え、最も安い記憶容量16ギガバイトの機種が499ドル(約4万7千円)。
ニューヨークの「5番街」にあるアップルの店舗には、午前9時の発売前に約1千人の列ができ、関心の高さをうかがわせた。カナダ・モントリオールから来た会社経営のステファン・マルセルさん(42)は「このためにニューヨークに来た。使い道は決めていないが、何にでも使えるはずだ」。
最も注目されているのが電子書籍としての機能だ。ダウンロードして購入する専用サイトの中身は未発表だが、アップルは音楽ダウンロードサービス「iTunes(アイチューンズ)」で1曲99セント(約95円)の価格破壊を成功させた経緯があり、書籍販売でも思い切った価格や品ぞろえを狙うとみられる。