3日午前、ニューヨークのアップルの店舗で、発売直後にiPadを手にして報道陣の撮影に応じる購入者=山川写す |
電子書籍端末はソニーが2006年、米国で「リーダー」を発売して先陣を切った。次いで米ネット通販最大手アマゾンが07年に発売した「キンドル」がヒット。1冊10ドル(約950円)前後からと、紙に印刷された本の半額程度で買え、2社で市場をほぼ分け合ってきた。
2製品は、ダウンロードするものを書籍と新聞にほぼ特化しているため、白と黒の粒子を電圧で動かして表示する「電子ペーパー方式」を採用。省電力で長時間読んでも疲れにくいように工夫した。
一方、iPadは多機能を生かすため、小型パソコンと同様のカラー液晶を採用。これにあわせ、テレビ局のABCやNBCが人気番組などをiPad向けに配信する方針だ。新聞大手もキンドルに配信しているニューヨーク・タイムズ紙のほか、経済紙ウォールストリート・ジャーナルが配信する。
米調査会社アイサプライは、iPadの世界販売台数は10年に700万台、12年には2千万台に達するとみている。ただ、機能の多様さを考えれば「お買い得」といえる半面、米メディアの間では「中途半端な商品」「iPhoneと小型パソコンをもっていれば、いらないのでは」との見方も出ている。