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警視庁の「オウム犯行」発表、警察庁・地検にも事前伝達

2010年4月1日3時2分

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 国松孝次警察庁長官(当時)が1995年に銃撃された事件の公訴時効成立後に警視庁が行った「オウム真理教による組織的犯行」との発表は、警察庁や東京地検に事前に伝えた上、決定していたことが関係者の証言でわかった。

 警視庁や警察庁の幹部らによると、警視庁は3月30日の時効まで捜査を尽くす一方、仮に時効を迎えた場合は15年間の捜査について国民に説明する必要があるとして、数カ月前から内容や方法を検討してきた。

 教団の関与の疑いについて、根拠などをどの程度示すべきか、警視庁では幹部間で意見に違いがあったが、庁内での議論の末、方針を決定。警察庁には3月中旬、具体的な案が示され、「警視庁の意向を尊重する」として了承されたという。

 一方、捜査関係者によると、警視庁は教団元幹部らを容疑者として書類送検できないか、時効直前まで東京地検に打診。最終的には送検を見送るとともに、「オウムの犯行」と発表する方針を伝達した。地検内には、訴訟書類の公判前の非開示を定めた刑事訴訟法の規定の観点などから否定的な意見もあったが、「警視庁が判断すること」と伝えられた。地検は「地検ならそのような発表はしない」とも言ったという。

 東京地検の堺徹公安部長は31日、事件の不起訴処分を発表した記者会見で、警視庁の対応について「地検は事前了承する立場になく、了承はしていない」と述べた。

 警視庁のある幹部は「まず第一は、捜査について説明責任を果たすべきだとの観点からの判断だった」と話す。

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