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バチカン「神の銀行」に捜査の手 資金洗浄に関与か (2/3ページ)
このニュースのトピックス:欧州
■マフィアと関係の取引先も
ローマ法王は19世紀のイタリアの国家統一の過程で、すべての法王領を失ったが、1929年にムッソリーニ政権下のイタリア政府とラテラノ条約を結び、バチカン市国以外の領地を放棄する代償として7億5000万リラ(現在の約1200億円に相当)の補償金を得た。この補償金と世界中の信者からの献金を原資に、投資銀行などを通じてバチカンの資産運用を行っているのがバチカン銀行で、前身の法王庁財産管理局が改組されて1942年に設立された。
だが、取引のあるイタリアや米国の銀行の担当者の中にはマフィアの世界とつながりのある者もおり、他国の捜査機関が原則として指一本触れることのできないバチカン銀行は、麻薬資金などの巨大な洗浄装置として悪用されるようになったとされる。法王庁は一貫して否定しているが、一説によれば、バチカン銀行は資金洗浄額の10%以上を手数料として取り、得た利益を東欧や中南米の反共組織に送金していたともいわれている。