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オバマ政権、FOXテレビを「正当な報道機関ではない」と敵視
このニュースのトピックス:アフガニスタン
【ワシントン=古森義久】オバマ米政権が視聴率を伸ばすFOXニュース・テレビの政権への批判的な論調に反発し、正面から「政敵」と位置づけ、「正当な報道機関ではない」とまで断ずるようになった。ホワイトハウスは22日、主要テレビ各局の合同取材からFOXだけを排除しようとした。政権のこうした姿勢を言論抑圧だと非難する声も広がってきた。
ホワイトハウスでは、ケネス・ファインバーグ大統領特別顧問に主要テレビ局6社の代表がインタビューする予定となったが、ホワイトハウス側が突然、FOX記者を入れないと言明した。残る5社が一致して抗議し、ホワイトハウスは結局、FOX記者も含めて合同インタビューを行った。
オバマ政権がこうした奇妙な態度をとった背景には、保守系の立場から同政権のリベラル政策に反対の論調を示すことの多いFOXに対し、ホワイトハウスのアニタ・ダン・メディア担当部長が「FOXはオバマ大統領とホワイトハウスに戦いを挑んでおり、正当な報道機関とはみなさない」と述べ、過激な敵視策を打ち出した経緯がある。ラム・エマニュエル大統領首席補佐官やデービッド・アクセルロッド上級顧問も「FOXはニュース報道よりも意見の表明が多く、当政権にとっては政敵に等しい」と述べるにいたった。
FOXの親会社のルパート・マードック代表は偏向を否定し、政権に非難されてからも視聴率が急上昇したことを明らかにした。
対立は米国議会でも反響を呼び、共和党有力メンバーのエリック・カンター下院議員は22日、「FOXはアフガニスタンでの戦争その他、ニュース報道でも実績があり、論調を理由に標的として迫害することは報道の自由の抑圧だ」とオバマ政権を非難している。