「習志野の大魔神」--。01年夏、習志野が14年ぶりに甲子園に出場した時のエース、佐々木康太さん(25)は、そんな異名で恐れられた。同姓の佐々木主浩投手(40)=元横浜=を思わせる落差のあるフォークボールを武器に、強豪の尽誠学園(香川)と明徳義塾(高知)を撃破。「応援してくれた習志野の人たちに恩返しがしたい」と、卒業後は習志野市役所に就職した。現在は商工振興課員として市内を駆け回る日々だ。
八千代市出身。三つ上の兄の影響で小学5年から野球を始め、先輩の勧めで習志野高に入学。部員約120人の大所帯で野球漬けの生活を送った。
01年夏の県大会決勝では、習志野応援団が陣取る1塁側スタンドを中心に、約3万人の大観衆が千葉マリンスタジアムを埋め尽くした。「おれもあの応援の中でやりたかった」。後日、対戦相手から言われた言葉が、地響きのような大声援とともに今も心に残る。
甲子園では「マウンドに立った時は、がくがくと足が震えた」。3戦目で明豊(大分)に惜敗したが、「名門習志野」復活を内外に印象付けた。
その後、日本高校選抜チームのメンバーに選ばれ、海外遠征にも参加した。そこで全国の精鋭とのレベルの差を実感。大学からの誘いを断り、市職員として習志野に尽くす道を選んだ。
現在の仕事は中小企業支援。不景気のあおりを受けた地元経済の落ち込みを肌で感じているだけに、「習志野高校の活躍で地元に元気を与えてほしい」という思いは人一倍強い。
「自分たちが持ち帰れなかった優勝旗を生で見たい」。優しいまなざしの大魔神が後輩にかける期待は大きい。【袴田貴行】
毎日新聞 2009年2月18日 地方版
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