iPhone攻勢、韓国の携帯電話輸出に暗雲

 知識経済部は2日、今年1-3月の携帯電話端末輸出額(速報値)が前年同期比11.4%減の65億4900万ドルにとどまったと発表した。昨年通年でも金融危機の影響で、同輸出額は前年比13.2%減少した。韓国IT企業の代表的製品である携帯電話端末の輸出に暗雲が立ち込めた格好だ。

 年初来、世界的に景気が回復を示しているにもかかわらず、1-3月に携帯電話端末の輸出が減少したことは、韓国にとっては「異常な兆候」だ。

 業界専門家は、韓国の主力商品である高価格帯の携帯電話端末が、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に押されていることを原因に挙げる。サムスン電子、LG電子など韓国の大手メーカーは、昨年下半期以降、高価格帯でこれといったヒット商品を発売できずにいる。

 業界幹部は「携帯電話端末の販売に大きな影響力がある外国の通信事業者が、同じ価格ならば、データ通信などより多くの料金が発生するスマートフォン(多機能携帯電話端末)を好んでおり、スマートフォンに多額の補助金を支払っている。このため、韓国製携帯電話端末の市場が狭まっている」と指摘した。

 今後の見通しも明るくない。アップルはこのほど、韓国製携帯電話端末が技術的に優位に立つCDMA方式のiPhoneを本格生産し、北米向けに供給することを明らかにした。言い換えれば、アップルはこれまでの供給先であるAT&T以外に、CDMA方式でサービスを行う大手通信事業者のベライゾン・ワイヤレス、スプリント・ネクステルにもiPhoneを供給することになる。CDMA方式の製品で北米市場を掌握してきた韓国メーカーにとっては、新たな試練となる。

趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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