忠南のアスベスト鉱山周辺住民7%が関連疾患

 「沈黙の殺人者」と呼ばれるアスベスト(石綿)による疾患が集団発生した忠清南道のアスベスト鉱山周辺で、周辺住民の約7%が何らかののアスベスト疾患にかかっていることが、政府の健康栄養調査で最終確認された。

 環境部は31日、「忠清南道5市・郡(保寧、青陽、洪城、礼山、泰安)のアスベスト鉱山の周辺住民4057人を対象にX線撮影、コンピューター断層撮影(CT)などの精密検査を行った結果、290人(7.1%)が肺がんや石綿肺(アスベストが肺に浸透し肺が固くなったり、白くなったりすること)、胸膜斑(肺を包む胸膜をアスベストが貫通し、胸膜が異常に厚くなること)などの疾患にかかっていることが確認された」と発表した。疾患別に見ると、石綿肺・胸膜斑の両方にかかった人が120人、石綿肺疾患が58人、胸膜斑105人、肺がん7人となっており、また全疾患者の半数程度は、アスベスト鉱山での就労ではなく、単に鉱山周辺に居住していただけで疾患にかかったことが分かった。周辺にアスベスト鉱山のない忠清南道舒川郡の住民441人を対象に行った調査では、アスベスト疾患者は全くいなかったという。

 環境部関係者は「今回の調査は、アスベスト鉱山の半径1キロ以内に居住する人を対象に行った。アスベスト鉱山から飛散した粉じんが、住民に健康被害をもたらした。ただ、肺がんについては発生要因が多岐にわたるため、アスベストが原因かどうか追加で調査が必要」と語った。

 アスベスト被害が確認された住民については、来年1月から施行されるアスベスト被害救済法に基づき、疾患の種類と症状などを考慮して500万-3000万ウォン(約41万-248万円)の補償金が給付される予定だ。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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