釜山少女暴行殺害:警察庁、釜山地方警察庁長官らを処分

四つの問題点を指摘

 釜山市沙上区徳浦洞で、中学校入学を控えたイ・ユリさん(13)が強姦(ごうかん)、殺害された事件の捜査に不手際があったとして、警察庁は先月31日、釜山地方警察庁の李康徳(イ・カンドク)長官の指揮監督上の責任を問い、「警告」とする処分を下した。

 また、釜山沙上警察署長と同署の刑事課長には、責任を問う意味で転任を命じ、警監(日本の警視に相当)以下の捜査に関与した警察官は、釜山地方警察庁で懲戒処分を下すこととした。

 警察の真相調査班が発表した問題点は、大きく分けて四つある。まず、キム・ギルテ容疑者(33)が今年1月23日、22歳の女性を拉致・監禁し性的暴行を加えた事件で、警察が十分な捜査を怠ったために、1カ月後にユリさんが命を奪われる結果となったという点だ。1月の事件発生の翌日、担当の刑事がキム容疑者の自宅を訪れ、同容疑者と鉢合わせしたにもかかわらず、刑事は同容疑者を検挙できなかった。

 また、釜山地方警察庁と沙上警察署の初動捜査での不手際も問題視した。ユリさんがキム容疑者に拉致された直後、地区隊(日本の交番に相当)の警察官たちは現場を見て「拉致された可能性がある」と報告したが、現場へ出動した刑事らは、「単なる家出」と判断し、早急な対応を怠ったというわけだ。

 このほか、ユリさんが拉致された翌日の2月25日、キム容疑者から「わたしは人を殺していない」という電話を受けながら、すぐに報告しなかったことや、同容疑者が逃亡のための資金を調達するため、3月7日に沙上区三楽洞の美容室で盗みを働いたことを報告しなかったことが、問題点として指摘された。

チェ・ソンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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