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【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 韓流の落とし穴
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日本海に面した韓国の東海岸は夏は海水浴など観光客でにぎわう。漁港が点在し、浜では水槽に活魚を泳がせ魚を食べさせる店が軒を並べている。しかし冬は寒く閑散として寂しい。
ソウルから高速バスで3時間ほど走ると江原道・江陵市の海岸に出る。北のはずれに注文津(チュムンジン)という漁港があり、さる1月1日の夜、漁港の刺し身屋で酒を飲んだ一人旅の58歳の日本女性が、その後、行方不明になって今にいたる。
失踪(しっそう)事件として最近、公開されたが、彼女はいわゆる“韓流ファン”でこれまでしばしば韓国を訪れ、韓国語も少しできたという。今回さる韓国ドラマの現地を訪ね東海岸までやってきたのだ。
外国の真冬の漁港で、一人旅の日本女性が夜、食堂でひとり酒…。大胆というしかない。日本の中年女性をそこまで駆り立てる韓流ブームの威力(?)を実感させられる。そして外国人が韓国語をしゃべると珍しがられもてる。色んな人間が寄ってくる。その快感がさらに韓国への関心をそそり“韓国病”になる。
昨年、300万人を超える日本人が韓国を訪れた。うち6割以上は女性だ。韓国は夜を含めきわめて安全なところだが当然、例外はある。この20年間で日本人失踪者は3人。いずれも女性だが、これを多いと見るか少ないと見るか。
韓国に入れ込む日本女性は昔は歴史的贖罪(しょくざい)派が多かったが、今や韓流ファンにとって代わられた。しかしいずれも過度の思い入れはまずい?(黒田勝弘)