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海賊版ゲームソフトの被害が深刻化している。インターネット経由でゲームを違法ダウンロードして遊べる「マジコン」と呼ばれる器具が出回り、欧州では任天堂のソフト販売が1年で半減。年間の被害額は少なくとも数兆円規模に達している。事態を重く見た経済産業省は新たな法規制に向け動き出した。
「普通に買うとお金がかかるから。みんな持ってるし、悪いことをしている意識はない」。米ロサンゼルスに留学中の日本人女性(32)は昨年夏、ニンテンドーDS用のゲーム十数本が入った「マジコン」を友人から80ドルで買った。中身は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」など人気作ばかりで、通常ならソフトだけで数万円分にあたる。
マジコンはDSのゲームソフトと同サイズの本体と、パソコンを使って違法ダウンロードしたゲームを保存するメモリーカードに分かれる。米国では数年前から、マニアだけでなく一般の人々にも広がっている。
ゲーム機本体には違法ダウンロードしたゲームを作動させない機能があるが、マジコンを使ったり、本体を改造したりすることで遊べるようになる。任天堂が2009年6月、ゲームを違法ダウンロードできる10サイトを調べたところ、累計2億3753万回が確認された。平均単価をかけると被害額は1兆円を超える。その他の各国の調査などから、年間の被害額は最低数兆円を超えると見られる。
ダウンロードできるゲームはDS用だけでなくWiiやプレイステーションなど据え置き型にも拡大。ホームページなどでゲームを公開するのは違法で当局による検挙例もあるが、数が膨大で取り締まりが追いついていない。
被害は欧州にも飛び火。米国の業界団体による昨年12月の調査では、国別ダウンロード数はイタリア、スペイン、フランスの順に多かった。任天堂の欧州などでの昨年4〜12月のDSソフト販売数は前年同期比45%減。日本(同7%減)や米国(同11%減)と比べ大きく落ち込んだ。