2009年の速報はこちら
2008年12月13日(土)
◆サイクロン被災緊急救援活動の中間報告書が完成しました。
ご希望の方はBAJ東京事務所までご連絡ください。
8月9日(土)
◆学校修繕事業の第一フェーズでは、子どもたちができるだけ早く学校に戻れることを目的にしているが、校舎再建へのニーズも高い。
◆簡易校舎を提供したモールメインジュンの小学校PTAのメンバーと校長先生にお話を伺った。
◆「学校は雨水貯水タンクのみ残して全壊しました。学校の土地は村人がお金を出し合って買ったものです。今は緊急に支援いただいたテントの一時的な建物で子どもたちは勉強しています。この村では30人の児童がサイクロンで亡くなりました。現在学校に通っている児童は119人、以前は117人でした。児童が増えたのは、近隣で学校や家がなくなったところからも通学しているからです。サイクロンで壊れる前の学校は、自分たちで寄附を集め、ユニセフから屋根シートの提供を受けてなんとか建設しました。今はとにかく食べていけるように生業を回復することに専念しています。学校の再建に協力していただけたらうれしいです。」(8月上旬取材)
ニーナウンレー小学校は貯水タンク以外は全壊した
簡易校舎を提供したニーナウンレー小学校
簡易校舎で学ぶ子どもたち
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8月8日(金)
◆サイクロン被災時から日本人スタッフが継続的に被災地に赴き、現地のニーズ、事業の進捗状況の把握に努めている。
◆モールメインジュン地区南部の被害の大きかった地域で、被災した男性の話を伺った。
◆「風が午後4時頃から強くなってきました。波が河側と陸側から押し寄せてきました。70人の人が学校に逃げてきました。僧院の建物は壊れましたが、建物の後ろに居て助かった人もいます。人や家畜の死体が散らばっていましたが、あまりのショックで、すぐには片付けができませんでした。嵐のあと、飲み水がなかったのでココナッツの汁を飲んでしのぎました。次の日から水も食べ物もありませんでした。2日くらい経って、支援が来ました。ほとんどの家が壊れましたが、木に囲まれている家だと残っているようです。木の間に舟がひっかかり、波を防いだようです。」(8月上旬取材)
モールミャインジュン 被災の大きかった村の男性
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8月2日(土)
◆5月下旬より開始した学校修繕事業は、第一フェーズとして最終的に対象校21校に決定。ミャウンミャ地区、モールメインジュン地区を対象とした。第一フェーズでは子どもたちが出来るだけ早く学校に戻れるよう、早期修繕を中心としている。
◆簡易校舎の提供や屋根補修については順次完了を見ている。
◆修繕にあわせて、学習机と椅子を提供している学校もある。
屋根補修、雨どい、窓の取り付け、トイレ建設の終わったヨーク小学校(ミャウンミャ市内)
修繕前の第4中学校(ミャウンミャ市内)
窓とドアを修繕中の第4中学校
窓とドアの取り付けの終わった第4中学校の屋根。床の補修も行った
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7月31日(木)/モバイルワークショップチーム情報
◆7月のモールメインジュン(MMG)での調査を受けて、モバイルワークショップチームはデダイェのコンダンカレー村からモールメインジュンへ活動地を移し、7月5日から市内カンナ僧院内で事業を開始、現在も活動継続中である。
◆同時にチェッシャー村でもモバイルワークショップ事業を開始。チェッシャー村はMMGよりさらに2時間半ボートで行った場所で、政府の被災指定地域に指定された被災程度の激しかった地域である。
◆これまでに、MMGにて受け取ったエンジンは79台、うち点検、修理の完了したエンジンは47台。チェッシャー村では96台の修理依頼を受け、71台の点検、修理が完了している。
◆水路でのみアクセス可能なMMGではエンジンの用途もボート用、農業かんがい用、水の汲み上げ用、発電用など多岐にわたる。
モールミャインジュン カンナ僧院でのワークショップの様子
チェッシャー村 雨の中の作業
チェッシャー村 ワークショップにてボートエンジンの点検
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7月9日(水)/救援活動速報
◆4日、次の救援活動候補地であるモールメインジュン(MMG)の調査を終えたスタッフが戻り、打合せを行った。MMGは人口35万人強で南部のビレッジトラクトの中に17村あり、なかでもニナウンレィ村はサイクロンで崩壊し100名以上が亡くなり、学校や僧院も流された。子どもたちは学ぶ場所もなかったため、とりあえず現地で入手できる簡易シェルターを提供することにした。生徒数は60名、先生は2名。
◆MMGは、ミャウンミャからボートで6時間かかり、現在ほとんど海外の支援が入っていない模様。BAJはMMGからさらにボートで2時間半かかるチャッシャー村の小学校の修繕を行う。
◆MMGでは、学校修繕とモバイルワークショップの2つの活動を行う。
ニナウンレィ村の村人が救援物資を受け取りに来る様子
チャッシャー村小学校の様子
モールメインジュン遠景
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7月2日(水)/モバイルワークショップ情報
◆6月18〜28日までにデダイェのコンダンカレー村で修理した耕作機エンジンは、合計107機で周辺地域8箇村に及んだ。
◆26日時点でデダイェでの活動を終え、次の活動地であるモールメインジュンへ移動することを村に伝え、村人からは感謝された。
◆2日、シニアスタッフのリーダーであるエーコウィンと、モバイル・ワークショップのコーディネーターとしてウタントンがMMGでのニーズアセスメントを行い、事業実施の準備を進めた。
ワークショップの様子
村人にエンジンの情報を聞き取る
田んぼに戻った村人
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6月23日(月)/学校修繕進捗報告
◆5月下旬からミャウンミャ市の修繕候補学校の調査を進めた結果、BAJとしては支援の届きにくいアクセスの悪い学校を中心に、また子どもたちが早く学校での授業を再開できる環境を整えることに重点をおいて修復再建を進めていくことにした。
◆Gant Gaw Gone小学校はすでに屋根シートの取り付け終了。Yoe Ku小学校、Ah
Su Lay小学校、
Apyin Yae Sai小学校の3校で現在修復中だが、とくにAh Su Layは大きなダメージを受けており、政府の規格に合わせた規模に再建している。
◆幹線道路から遠く、ボートでしかアクセスできない学校には支援が届いていない。BAJでは資金調達の範囲内で、第1フェーズとして現在18校について修繕を進めている。裨益する児童数は総計4,340人以上にのぼる。
◆ミャンマーの学校制度は、プレスクール1年間(幼稚園)、プライマリースクール1年〜4年(小学校)、ミドルスクール5年〜8年(中学校)、ハイスクール9年〜10年(高等学校)で、小学校で止めてしまう子が多い。
Ah Su Lay小学校
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Ah Su Lay小学校遠景
Ah Su Lay小学校の修繕の様子
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6月17日(火)/モバイルワークショップ・報告
◆モバイルワークショップチーム5名がヤンゴンに戻り、活動の再調整を行なった。現在修理場所はエヤワディ管区デダィエ、コンダンカレー村。地元行政組織が所有する事務所を提供され、チームは朝7時から夜7時半頃まで修理に追われた。
◆ワークショップ開設の6月5日〜17日までの間に、受取ったエンジン数61台、そのうち修理できたエンジン数52台で、1日平均4.2台を修理した。
◆修理した耕作機で多かったのは5/6馬力のエンジンで、1日5エーカーの耕作が可能。今回の修理により復旧したエンジンによる耕作総エーカー数は、単純計算だが260エーカーにのぼる。
◆口コミで修理の噂を聞き、周辺地域6箇村からエンジンが持ち込まれた。村人は手押し車やボートで工作機を運んできている。
◆現在デダィエ地区に対しミャンマー政府から稲の種苗が支給されており、村人は作付けを早急に開始したいと考えている。この地域は2期作で6〜7月の作付けが遅れることを恐れており、修理が完了した村人からは感謝されている。
◆村人からの情報で、沿岸部の数箇村300世帯からも修理の要望がきており、需要は多く、今回一旦ヤンゴンへ引き上げるチームに対し、別の場所へ行ってしまうのかと心配する声も聞かれた。
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6月12日(木)/東京事務所発 東京でサイクロン救援活動の報告会を開催
◆BAJのサイクロン被災者救援活動について、JICA地球ひろば(渋谷区)で報告会を開催した。BAJの会員・支援者ほか33名が参加。
◆5月20日から6月7日にミャンマーに出張していた束村康文スタッフ(海外事業統括)が、雨季を迎えた被災地の様子、第一段階としての生活物資の配給や、復旧に向けてBAJが取り組んでいる学校の修繕や農業機械類の修理などの活動などを写真をまじえて報告。
◆「支援は被災者に届いているのか」、「他の援助機関との連携は」など、会場からのご質問に答えながら支援の現況を伝えた。
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6月9日(月)/モバイル・メカニックワークショップ
◆BAJの特技を活かし、農業地帯であるエーヤワディ管区の被災した農村で、エンジニアを派遣して工作用のトラクターやボートなどのエンジン修理を移動しながら行うことにし、6月4日から活動を開始した。
◆BAJモバイルワークショップチームは、コンダンカレー村(エーヤワディ管区デダイェ市)のDPDC事務所(地元行政機関)の敷地内に場所を提供してもらい、テントを設営してワークショップを開設。
◆7日までの4日間で、政府が農民に提供したミャンマー製トラクター2台をふくむ20台のエンジン修理を行った。
◆田植えの時期(2期作)が来ているが、トラクターが水をかぶり使えなくなっている農家が多く、すでに農民が22台のトラクターを持ち込んで修理の順番を待っている状態。
◆エンジンの多くは耕作用トラクターのものでほとんど中国製の単気筒ディーゼルエンジン。すでにスペアパーツ、エンジンオイル、燃料などの追加が必要になっている。
◆サイクロン後、ミャンマー政府は各村に対し700〜800エーカーの土地当たり6頭の耕作用牛と1台のトラクターを提供している。牛は他地区から連れてこられて弱っているなどの問題があり、農民はトラクターやエンジンを修理して一刻も早く耕作を始めたいようだ。
◆ニーズに応じ、同じくターニンコン村でもワークショップを開設する予定。
モバイルワークショップ予定の村役場所有の建物
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6月6日(金)/学校の修復再建
◆教育クラスター会議で、エーヤワディ管区7地区とヤンゴン管区1地区の学校再開が1ヶ月遅れるという情報があった。しかし早期再開の指示があった模様で、ラプッタの西ンガプードウでは6月9日から再開。
◆校舎の修復が間に合っておらず、3日に訪問したクンチャンゴン周辺ではテントの下で学ぶ子どもたちを数箇所で目撃している。
◆すでにBAJが修復を開始したミャウンミャタウンシップ内の小学校は以下の通り。
ヨーク小学校(児童108名)
アースレイ小学校(児童数確認中)
アピンエーサイ小学校(児童250名)
タリン小学校(屋根のシートのみを提供)
◆今後、現地各村の修復実態を調査しながら、10校以上の修繕を予定。
BAJが修復しているミャウンミャ・タウンシップの小学校
倒壊した小学校。これもBAJが現在修復している。
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5月28日(水)/エヤワディ管区ピャーポン川周辺デダイェタウンシップ
◆デダイェエリアで救援物資を配布。前回ボートを使っての配布で、まだまだ幹線道路から離れた場所では物資の配布が十分ではないことを確認した。
◆川沿いでの配布準備のため27日に、スタッフ(ほぼ)全員でアイテムの袋詰め作業をした。ビニール袋に油、塩、ろうそく、乾麺を詰める。
◆道中5月20日に配布した防水シートが、家の修復の際に使われているのを見つける。ある村では世帯数が多く、シートが足りなかったようで、BAJの提供したシートを半分に切ってくじ引きで配ったとの情報あり。
◆以前と同様、幹線道路沿いに人はほとんどおらず。村に戻ると、政府からの物資配給がなくなるとの噂があったようだが、現状ではどうやら配布は継続している模様。
◆ピャーポン桟橋で村人が用意してくれた船を使い、今回はピャーポン川を北上した(前回は南下した)。BAJローカルスタッフによると、農耕機やボート用エンジン修理の需要はピャーポン、デダイェ地域でかなりあるとのこと。これからの事業のアイデアとして、モバイルワークショップ(メカニック2-3名が村を拠点に壊れた機械類等の整備や修理を担う)をこの地域で実施する計画を進めている。
◆周辺の学校の状況だが、6月2日の新学期開始は、ヤンゴン管区クンジャンゴン、及びエヤワディ管区7タウンシップでは1ヶ月延期となった(が開始時期の明示は政府からまだ無い)が、幹線道路沿いの学校の多くは既に修繕されているところが多い。「目に付く場所にある学校=政府による修繕」、「目立たない場所に位置する学校=修繕されず」、または修繕するドナーを模索中、という構造が現在できつつある。ミャウンミャでも同様のよう。
◆外国人スタッフのエヤワディ入域に関し、国防省から了承が下りた。ただし誰でも入れるわけではなさそうである。
配布物:食用油(0.2Viss) 500ボトル
食塩 500袋
ろうそく 500袋
乾麺 520袋
飲料水 1294ボトル
蚊取り線香 20箱
村での物資の引渡し
ピャーポン川支流の様子
物資を待つ村人
防水シートの活用
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5月23日(金)/エーヤワディ管区デダイェ及びピャーポンでの救援物資配付
◆エーヤワディー管区での配付に向かう道中、チェックポイントでは行き先と外国人の同乗を厳しくチェックしていた。
◆各村の入り口には新しくゲートが設置され、各村を通過するたびに入域料(各村約10〜20円)を徴収されるようになった。
◆これまでたくさん見られた道路沿いで援助物資の配付待ちをする人の数が減った。また、道沿いのトタン屋根材や竹材、ヤシの葉等でできた簡易シェルターも撤去されていた。
◆車で入れない地域の村人に途中までボートで出てきてもらい、そのボートに同乗して村まで案内してもらった。途中他の個人ドナーが物資を配っていたり、無料クリニックを開業している光景も見られた。
◆この地域でも被災の際に受けたショックでPTSD(外傷後ストレス障害)に陥っている人も多く心のケア対策が早急に必要である。
◆移動途中の村で水源を確認、雨水タンクはあったが、空であった。村周辺には溜め池が3ヶ所あるが、1ヶ所は水が溜まっておらず、もう1ヶ所は塩水と死体で汚染されたので村人が現在清掃中、残り1ヶ所がこの地域の主な水源となっている。
◆溜め池にアクセスできない村では川の水を使っている。洗濯や水浴びだけでなく、料理にも使っていると聞いて驚く。すでに被災3週間が経過したが、その川ではまだ遺体が引き上げられず水に浮いている光景も見られる。
◆川沿いの村では安全な水源に困っている村も多く、飲料水の需要が非常に高かった。
配布物:食用油 800ボトル
食塩 800袋
石鹸 1340個
ビスケット 448袋
飲料水 30本
衣類 3袋
ヤシ砂糖のお菓子 3カゴ
泳いで物資を取りに来る子どもたち
村人に石鹸を渡す
物資配付の光景
壊れた学校をボランティアで案内してくれた女性
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5月22日(木)
◆BAJでは緊急救援物資の配付を23日で一段落する予定だが、村の様子を聞く限りまだまだ緊急物資の配付は必要。特に奥地に位置する村やアクセスの難しい村には物資がいきわたっていないのが現状。
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5月21日(水)
◆BAJ東京スタッフの束村がヤンゴン入り。
◆エーヤワディー管区での学校修繕を検討中。学校は小学校で、主には屋根の補修、壁の塗装、扉と窓の補修、トイレの設置、机や椅子等家具を提供。
◆エーヤワディー管区へ入るための幹線道路には新たなチェックポイントがかなり増えており、外国人の立ち入りを厳しくチェックしていた。
◆ミャウンミャーの避難所はラプタと比べると衛生面や食事面で状態が良く、食料倉庫を完備して肉も入手できるが、ラプタでは政府からの配給は米と油のみの配給であった。
◆ミャウンミャーとラプタ間の幹線道路沿いには援助を待つ人が多く見られた。
◆この地域では車で走りながら援助物資を配付することが多いらしく、事故の危険性が高いので、援助する人は車を止めてから人々に物資を渡すよう注意があった模様。
◆ラプタだけで47箇所避難所があり(当局によると30ヶ所)、40,000人以上が避難生活をしているとのこと。
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5月20日(火)追加/エーヤワディ管区デダイェ、ピャーポンでの救援物資配付
◆マラゴン村、カナゴン村、テーコンジー村、チャンスー村、ユンダカン村で、雨よけビニールシート403枚、石けん410個、ろうそく228袋、衣類465着を配付。
◆マラゴン、カナゴン、テーコンジーの各村は、手に入る材料で仮小屋を作っている住民が70%、残り30%は被災したそのままの状態であった。農家と日雇い労働の世帯が多い。
◆正式な登録がないため政府の物資を受取れない住民も多く、援助団体からの支援物資に頼っている。BAJではそうした人を中心に配付を行っている。またアクセスが難しい村を重点的に対象としている。
◆デダイェとピャーポン間の幹線道路では援助を待つ人が明らかに増えて、週末はヤンゴンからの救援物資を持ち込む人と車で渋滞もあった。こうした状況に対し「様々なドナーが道路沿いに物資を配付しているが、コミュニティーの意欲を失わせ、ミャンマー人の誇りや品位を汚すことにもなるので、物資の配付については現地TPDC(行政機関)に連絡すること」という通達がきている。
◆道路沿いの避難民に対しても、自分の村に戻るようにという警察の指導があった模様。
雨よけシートを村人に手渡す
メインロード沿いで援助を待つ村人
ダメージを受けた学校
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5月20日(火)
◆東京の束村(海外統括)がミャンマーへ出発。ヤンゴンにて今後の救援計画について検討する。今回は、緊急救援用のポータブル逆浸透膜浄水機(塩水を真水に変換する装置)を持ちこむ。
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5月18日(日)
◆ミャンマーのFERD(国家経済開発省対外経済局)の会議で、エーヤワディ管区内でのNGOによる物資の配布を認める旨のアナウンスが、政府より正式にあった。
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5月17日(土)/エーヤワディ管区デダイェ、ピャーポンでの救援物資配布
◆朝方は道路沿いでグループを作って物資を待っていた被災民の姿が夕方はまばらになった。政府からの帰宅指示があったようだ。
◆やはり、アクセスしにくい地域には援助物資が届いていないようで、そうした村の代表がボートを手配するから物資を提供してほしいとの申し出があった。
◆水源に関しては、手彫り井戸にクロリネーション(塩素消毒)用薬品が援助団体によって投入されたので、1週間後には使用可能になるということだ。
配布物:雨よけシート 252枚
ラーメン 2800袋
ビスケット 2013個
石けん 360個
ろうそく 700袋
衣類 数袋(スタッフ・近所からの寄付)
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5月16日(金)/エーヤワディ管区デダイェ、ピャーポンでの救援物資配布
◆13日にエーヤワディ管区内への外国人の立入り禁止となった。ヤンゴン管区内のラインタヤー地区も同様のようだ。そのため、14日以降の配布はBAJローカルスタッフが行っている。
◆多くの団体がボガレーでの救援に集中しており、デダイェ、ピャーポンが手薄という情報があり、雨よけシート、ラーメン、ビスケット、衣類を配布。
◆メイン道路沿いで救援物資を待っている被災民が多く、救援団体は道路沿いに配布している。BAJは、道路まで出てこられない被災民に配布することとする。
◆TPDC(地元行政委員会)を通じて配布。物資が圧倒的に不足しており、くじ引きで配布されているという。遠くから逃げてきた住民登録がない被災民には配布されていない。そういう人たちは、BAJが直接配布する物資が頼みの綱となっている。
◆デダイェ、ピヤーポン周辺では、谷に位置する村の被害が大きかったようだ。
配布物:雨よけシート 304枚
ラーメン 900袋
ビスケット 400個
衣類 スタッフからの寄付
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5月13日(火)/エーヤワディ管区での飲料水配布開始
◆ピャーポンでDDA(民族国境開発省)と打合せ後、デダイェで飲料水2400本を配布。通行可能なエリアでは飲料水にそれほど困っていない様子。アクセスが困難な海沿いで不足している模様。ボートが必要である。
◆配布中に大雨が数回降った。雨季に入るとシェルターが必要になるが、避難民は何も持っていない。道路沿いに簡易シェルターを作っている避難民も大勢いるが、雨をしのぐだけのものだ。プラスティックあるいはビニールシートが役にたちそうである。
◆米の配給はあるようだが、食料は十分ではないようだ。今後はラーメン、ビスケットと、雨よけシート、衣類なども配布していく予定。
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5月12日/救援活動情報
◆ヤンゴン管区クンジャングンでコマンダーと会って話し合ったところ、クンジャングンの先にあるピャーポンで飲料水が不足しているという情報を得た。
◆クンジャングンではサイクロン当日夜に3mの高潮が民家を襲い、多くの家が流された模様で、ほとんどの住民が避難所にいた。人々の水供給源である手掘り井戸や浅井戸は塩水が入って使えなくなっている。
◆活動方針確認のための話し合いを行った。救援物資の配布に関しては、現地チェアマンとオーガナイザーのような人を見つけてアプローチし、避難所の人たちへの配布方法を相談することとする。
◆今後、ピャーポンで大規模に配布するため、飲料水の生産企業と交渉する。ポパアクア社で車両を無料で提供してもらえることになった。燃料はBAJ負担。
◆これまで配布した救援物資は、飲料水(1リットル入り)3,000本、(5リットル入り)8本、ろうそく4,800本、石けん1,320個。雨季に入ってきており、今後はビニールシートの配布を予定。
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5月10日(土)/被災地情報・救援活動報告
◆昨日に引続き、ヤンゴン郊外のラインターヤー・タウンシップで被災者(70世帯)を対象に、緊急救援物資として飲料水とロウソクを配布した。(1家族あたりに、1リットルの飲料水ボトル3本とろうそく4本を手渡した。)
◆ヤンゴン管区内で被害が一番大きかったクンジャングン・タウンシップ(ヤンゴン南西部の海に面した地域・車で2時間ほど)を調査。
◆道中はほとんどの家屋が崩壊、あるいは屋根を吹き飛ばされている状態。一部は僧院や教会に避難できたが、完全に家を失った住民らが竹で簡単に囲いをしてキャンプしている様子も見られた。
◆クンジャングンでは水が引いていたが、サイクロン当日は水位が家屋の屋根にまで達し、すがる木などがない場所では、住民はそのまま息絶えたものと想像できる。クンジャングンだけで1,000人以上が」死んだということであった。
◆被害のとくにひどい村では、救援が全くなく、遺体も片付けられずに田んぼに放置されている惨状である。一つの村では50人の死者が出ており、とくに子どもが多い。
◆グンジャングンには軍が入っているが、重機もなく、復興には時間がかかりそうである。町の救援物資倉庫も軍が管理しており、救援団体が入っているが自由に動くことができず、迅速な救援が難しい情況。
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5月9日(金)/救援活動の状況
◆BAJヤンゴン事務所では、救援物資の調達を開始した。飲料水とロウソクのセットをヤンゴン市内のランターヤタウンシップの避難民キャンプにて配布。
◆ミャンマー国内のマウンドー、チャウパドン駐在の日本人スタッフ2名も9日午後ヤンゴン入りし、今後の支援の調査を進める。
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5月7日(火)/ヤンゴン市内及びオフィス周辺の状況
◆サイクロン襲撃直後、風雨によって電柱の倒壊と倒木により道路は寸断されていたが、現在メインロードの車両通行は可能となっている。
◆BAJヤンゴン事務所では、前の道路に現在も倒木があり、車両の出入りが困難となっている。また事務所周辺に設置したフェンスが全倒壊、また倒木による屋根1箇所に大きな破損があり、修復に10日ほど必要。
◆市内の多くの家屋や建物で、屋根が飛ばされ壁が崩壊している模様。学校校舎も大きな被害を受けており、1ヶ月後の新学期開始にあたり修復・再建が必要となっている。
◆電線及び電話線の寸断により、電気の供給は皆無となっている。復旧には1ヶ月以上要するとの政府の言及があった。また電話線復旧については不明。
◆水の供給(特に飲料水)は最重要課題。政府によると復旧に1ヶ月を要するとのこと。水源があっても電気が無いため水を汲み上げられないところも多い。井戸には長蛇の列が出来ており、インヤーレイクに水を汲みに行く多数の人や車、水供給車に大勢が群がる様子が随所で見られたが、6日になって、YCDC(ヤンゴン開発委員会・行政組織)がダウンタウンへのパイプラインによる水供給を再開するというニュースが入っている。
◆僧院が水を住民に供給している例も多い。政府のパイプラインもライン毎に水量にかなりの差はあるが、使用可能な箇所もあるが、市内のほとんどでは未だ充分な量が得られていない。
◆飲み水は通常300チャットの20リットル入りの水が、800〜1,000チャットに値上がりし、低所得者層のへの生活用水及び飲み水の確保は非常に厳しい状況。水不足による伝染病等の蔓延も懸念される。
◆倒木等のゴミが市内のあらゆる場所に山積みとなっている。YCDCが近日中に撤去するらしいが、その後捨てると罰金を取られるとの噂があり、敷地外にゴミを急いで捨てている人も多々見られる。
◆食料、燃料の値段は急激に上昇。MPPEでの供給が5日から再開されたが、どこも朝早くから長蛇の列が出来ている。以前は1日6ガロンの供給があったが、現在は2ガロンのみ。闇の値段は以前5,000チャット以下だったが、今は10,000〜15,000チャット。食料を買い溜めをしている人も多く、米、肉、野菜の値段が高騰。中央乾燥地域のチャウパドンでは玉ねぎ1カゴは250チャットだったが、ヤンゴン事務所近くの市場では7,000チャットだったという報告あり。
◆市内の各タウンシップで強奪、強盗の報告があり、治安は悪化している。サイクロンで壁が倒壊し、インセイン刑務所から脱獄した人がいるという噂もあり、外部の人に対する警戒心がかなり高まっている。仕事を失った人も多く、物価高騰が治安悪化に拍車を掛けている。事務所ではセキュリティ強化のため、現在ウォッチマン、スタッフを含め6名が宿泊している。
◆緊急援助に関して、ミャンマー政府から既に一部の被害地区に対し、米・食料油・屋根用シートの供給があった。社会福祉省が日本政府への援助を依頼し、JICAによる緊急援助については具体的にはまだ不明。WFPは現在YGNへの食料供給を決定しているが、YGNにプロジェクトベースがあるNGOを通じた供給、また比較的人が集まり易い僧院を通じての供給を検討している模様。UNHCRも緊急キットの配布(数不明)を決めたが、ミャンマー政府に引渡すとのこと。またエヤーワディ管区への援助は、同地域で事業展開しているNGO(STC,WV等)を通じた援助が具体化しているようだ。さらに国連機関がエヤーワディ管区への立入りについて政府と交渉中と聞いている。MRCS(ミャンマー赤十字)も調査チームを送っている。
◆UNDP、UNICEF、IOM(国際移住機構)については現在具体的な情報は把握できず。水関連についてはWHOが何らかの形で援助を開始すると思われる。
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