アフガニスタン人とコンタクト

2010年04月03日 04:14

僕と常岡さんの共通の友人とようやくコンタクトが取れた。
カブールの日本大使館に誘拐の詳細、そして今後の方針を話してもらうことになった。
これで僕の一番の義務は果たせた。

大手マスコミは何の情報もないカブールに向かうようだ。

さすがに30時間以上寝ていないと辛い。
こんな気持ちで眠れないとは思うがベッドに入る。


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常岡さんの事件、外務省。

2010年04月02日 17:54

常岡さんが誘拐れてしまったとアフガニスタン人が連絡してきた。
アフガニスタンの人たちは、事を大きくすると常岡さんが危険にさらされるから、大使館、マスコミには当分
表だった動きはして欲しくない。と言ってきた。

とはいえ、僕の所に来た連絡を僕の責任で止める事はできない。
カブールの日本大使館、外務省の邦人保護課に連絡をし、できるだけ水面下で動いてほしいと伝えた。

メールと電話でほぼ眠れずに朝をむかえると、共同電とフジテレビが常岡さんの誘拐事件を報道してしまっていた。
第一報が出てしまえば、各社が動く。メールはどんどん入ってくるし、電話は鳴りやまない。

憶測でものを語られたくないから、常岡さんの最終的な目的地とか誰と一緒にいたとか迷惑になりそうな情報以外を
インタビューで答える。

日本からの連絡で邦人保護課が怒っていると聞いた。「しゃべりすぎだ」と。
親族の事も考えてノーコメントで通してほしいと。
冗談じゃない。昨日の第一報を聞いてから一晩中震えが止まらなかった。
10年以上の付き合いになる常岡さん。僕にとっても親族同様の人だよ。

僕は日本人で一番か二番に常岡さんの誘拐事件を知った。
僕の大切な友人の為に、邦人保護課以外には話していない。
誰だよ!情報をリークしたのは、どうやら政治記者が情報をつかんだらしいが。
僕は大切な友人の事件をネタにしていない。したくもない。
誰だよ!マスコミにネタを提供してしまった人は。

僕にクレームつけるまえに、人命に関わる事なのに最初に情報をリークした人間を責めるべきでしょう。
第一報を流した大手マスコミはクレームの対象にならないのか。
僕や常岡さんのようにフリーのジャーナリストだからか。
今アフガニスタンなんか取材しても赤字になってしまう。それでも伝えるべき事があるから僕たちは動いている。

常岡さん誘拐される。

2010年04月02日 09:31

最悪の事態になってしまった。
常岡さんが何者かに誘拐されてしまった。

これは僕自身、紙一重だっただけに人ごとではない。
日本のニュースはタリバンの犯行だと第一報を流しているがそこでいうタリバンが旧政権を担ったタリバンを示すなら
間違いである。

新たな急進的な勢力が誘拐した可能性はあるが、タリバンの犯行は考えにくい。
なぜなら常岡さんは10年以上の付き合いがある旧タリバンの人間と一緒にいたから。

あまり大事にせず、邦人保護課が水面下で動く筈だったが、共同が出してしまったらしい。
出てしまった以上仕方ない。
できるだけ正しい情報が伝わり、誘拐犯が常岡さんを解放してくれることを祈るだけだ。

キーボードを打つ手が震える。
パキスタンは朝の5時半。
殆ど眠っていない。

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アフガニスタン取材

2010年04月02日 05:16

今回のアフガニスタン取材は。。とても怖かった。
何度も強運に助けられた。
良く考えたら、ジャララバードで靴紐が切れた。昨年、香港で右が切れ、今回は左が切れた。
この靴は今回で役目を終えるだろう。

今、パキスタンに出てきたが、まだ実感がない。
ホテルにチェックインしてシャワーを浴び、清潔なベッドに横になったが眠る事ができなかった。

アフガニスタンに比べたら格段に平和なパキスタンの首都イスラマバード。
それでも外出する気になれなかった。

あちこちから入ってきたメールを処理しているうちにあっという間に日が暮れた。夜が怖い。
ご飯を食べに行く勇気がなくてホテルですませた。
(パキスタンなのに)

一つ運命の線を辿り間違えたら、僕はここにいなかったと思う。
無事に帰国すると、「行く前大げさに言ってたけど大丈夫だったじゃん」。
って言われる。

そして、万が一の事が起きたときは無謀な取材だったと言われてしまう。
そして、そして、人は忘れていく。

カブールで捕まる。2

2010年04月01日 20:34

警察署に着くと、ちょうど終礼のような事をしていた。
僕を捕まえた若者が「こいつが、撮影していて。。」とわめく。

警察と言ってもみんな防弾チョッキをきて、カラシニコフを持っている。
6人の警察官に囲まれ、地面に座らされる。おい!カラシニコフの銃口で小突くのはよせ!

カメラバッグを開け、中身をチェクする。
いつもならここで冗談を言って解放されるところなのだが、どうも今回は違う。
レンズキャップを外してレンズを触りまくる警察官にDon't touch!と言うと、うるさい!黙っていろ。
と言われてしまった。僕を捕まえた若者は地位が低いらしく一生懸命僕がスパイの可能性があると説明している。

ここでタイミング良く、僕の友人から電話がかかってきた。ラッキー。
まわりは誰も英語が分からないので英語で堂々と状況を説明する。
若者は電話を取り上げさせようとするが、僕が奪い。中ではまともそうな人に手渡して話してくれ!と頼む。
取りあえず、僕が日本人であること、アフガニスタンの大切なお客さんであることを伝えてくれたらしい。
友人はすぐに助けに行くから心配するな!と言ってくれたが、すぐって何分後?

ボディーチェックを受け、所長らしい人の部屋へ連れて行かれる。

下記全部ダリー語の会話。
若者「街中で撮影している怪しい奴をつれてきました・・」みたいな事を報告している。
所長「おまえ、こいつのパスポートを確認したのか?」
若者「はい、見ました。外国人です」
所長は「show me your passport」と英語で。なんだ英語話せるじゃん。
所長「当たり前だ、おれはこの地域で一番えらい警察官だから」
所長「お前は、日本人で。。ビザは一ヶ月だな〜」
若者「中国人かもしれません」
黙っていろバカ!と心の中で呟く。
所長「カメラを見せろ!」
ハンディカムを見せるがどうも使い方がよく分からないらしい。スイッチさえ入れられない。
だって、途中で空のバッテリーに変えておいたもん。

所長「OK。ボロー(行け)」と言う。まだ何か言いいたそうな若者を手で制する。
結局捕まえた理由はなんだったんだ!と言いたいが、これ以上留まるのは得策じゃない。
むかつく心を抑え「タシャコール(ありがとう)」と言って部屋を出る。

警察官の冷たい視線に見送られ警察署を出る。
何故か若者がついてくる。こいつ、諦めの悪い奴だ。
「お前があやしいから、ここまで連れてきて、沢山歩いたし時間を損した・・」みたいな事を言ってくる。
ベバフシード マン セファラッテ ジャパン ミリン。すまんな、僕は日本大使館へ行くよ!
と通りがかりのタクシーにを止め、乗り込む。

なんと若者が後ろの席に乗ってきて、ドライバーに「こいつは悪い奴で。。」みたいな事を言っている。
すでに時速20キロ以上だったが、ドアを開け飛び降りる。

夕方でタクシーが多かったのが助かった。次のタクシーを止め、ワジール アクバル ハンへ行ってくれとお願いるす。このしつこい奴を巻くには一度大使館エリア(用のないアフガニスタン人は入れない)に行くのがBest。

ようやくの事で大使館に到着。邦人保護課のHさんもしくは他の日本人スタッフに会わせてくれ。
とお願いする。
Hさんには挨拶にお伺いしますと電話では話していた。

受付のアフガン人にパスポートを持って行かれ、10分、20分経っても動きがない。
せめて待合室に入れてくれれば良いのだが、何故か路上で立って待っている。
ジャララバードでミサイルが発射されたからと僕に電話してきてくれるのはありがたいが、
邦人保護を考えるならまずは建物の中に入れて欲しいものだ。

ようやくHさんが現れ、中にいれてもらったのは30分近く経ってからだった。
ここから先の事は書けません。大使館の規定だそうで、先方はメモを取れるが僕はアフガニスタンの治安状況など聞いたことをメモすることさえできない。

ま、ともあれ、生きているのですべて良しとする。
僕の友人は警察著に怒鳴り込み、所長を謝らせたそうだ。
いかなる理由であれ、日本人に危害を加えたら民主党政権が掲げる民政支援に黄色信号が。。。
点らないか。僕は一般人だから。

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