警察署に着くと、ちょうど終礼のような事をしていた。
僕を捕まえた若者が「こいつが、撮影していて。。」とわめく。
警察と言ってもみんな防弾チョッキをきて、カラシニコフを持っている。
6人の警察官に囲まれ、地面に座らされる。おい!カラシニコフの銃口で小突くのはよせ!
カメラバッグを開け、中身をチェクする。
いつもならここで冗談を言って解放されるところなのだが、どうも今回は違う。
レンズキャップを外してレンズを触りまくる警察官にDon't touch!と言うと、うるさい!黙っていろ。
と言われてしまった。僕を捕まえた若者は地位が低いらしく一生懸命僕がスパイの可能性があると説明している。
ここでタイミング良く、僕の友人から電話がかかってきた。ラッキー。
まわりは誰も英語が分からないので英語で堂々と状況を説明する。
若者は電話を取り上げさせようとするが、僕が奪い。中ではまともそうな人に手渡して話してくれ!と頼む。
取りあえず、僕が日本人であること、アフガニスタンの大切なお客さんであることを伝えてくれたらしい。
友人はすぐに助けに行くから心配するな!と言ってくれたが、すぐって何分後?
ボディーチェックを受け、所長らしい人の部屋へ連れて行かれる。
下記全部ダリー語の会話。
若者「街中で撮影している怪しい奴をつれてきました・・」みたいな事を報告している。
所長「おまえ、こいつのパスポートを確認したのか?」
若者「はい、見ました。外国人です」
所長は「show me your passport」と英語で。なんだ英語話せるじゃん。
所長「当たり前だ、おれはこの地域で一番えらい警察官だから」
所長「お前は、日本人で。。ビザは一ヶ月だな〜」
若者「中国人かもしれません」
黙っていろバカ!と心の中で呟く。
所長「カメラを見せろ!」
ハンディカムを見せるがどうも使い方がよく分からないらしい。スイッチさえ入れられない。
だって、途中で空のバッテリーに変えておいたもん。
所長「OK。ボロー(行け)」と言う。まだ何か言いいたそうな若者を手で制する。
結局捕まえた理由はなんだったんだ!と言いたいが、これ以上留まるのは得策じゃない。
むかつく心を抑え「タシャコール(ありがとう)」と言って部屋を出る。
警察官の冷たい視線に見送られ警察署を出る。
何故か若者がついてくる。こいつ、諦めの悪い奴だ。
「お前があやしいから、ここまで連れてきて、沢山歩いたし時間を損した・・」みたいな事を言ってくる。
ベバフシード マン セファラッテ ジャパン ミリン。すまんな、僕は日本大使館へ行くよ!
と通りがかりのタクシーにを止め、乗り込む。
なんと若者が後ろの席に乗ってきて、ドライバーに「こいつは悪い奴で。。」みたいな事を言っている。
すでに時速20キロ以上だったが、ドアを開け飛び降りる。
夕方でタクシーが多かったのが助かった。次のタクシーを止め、ワジール アクバル ハンへ行ってくれとお願いるす。このしつこい奴を巻くには一度大使館エリア(用のないアフガニスタン人は入れない)に行くのがBest。
ようやくの事で大使館に到着。邦人保護課のHさんもしくは他の日本人スタッフに会わせてくれ。
とお願いする。
Hさんには挨拶にお伺いしますと電話では話していた。
受付のアフガン人にパスポートを持って行かれ、10分、20分経っても動きがない。
せめて待合室に入れてくれれば良いのだが、何故か路上で立って待っている。
ジャララバードでミサイルが発射されたからと僕に電話してきてくれるのはありがたいが、
邦人保護を考えるならまずは建物の中に入れて欲しいものだ。
ようやくHさんが現れ、中にいれてもらったのは30分近く経ってからだった。
ここから先の事は書けません。大使館の規定だそうで、先方はメモを取れるが僕はアフガニスタンの治安状況など聞いたことをメモすることさえできない。
ま、ともあれ、生きているのですべて良しとする。
僕の友人は警察著に怒鳴り込み、所長を謝らせたそうだ。
いかなる理由であれ、日本人に危害を加えたら民主党政権が掲げる民政支援に黄色信号が。。。
点らないか。僕は一般人だから。
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