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民主党の小沢一郎幹事長(67)と前原誠司国交相(47)のバトルが2日、再燃した。前原氏は、今夏の参院選で改選数2以上の選挙区に複数候補を擁立する小沢氏の方針に「(支持率低下など)以前と環境が変わっており、大きな疑問を持っている」と異論を表明。一方、小沢氏は「党の代表を前原氏から引き継いだ時は、10%を切る党支持率だった」と応戦した。党は、新たに競輪選手の長塚智広氏(31)ら第2次公認候補9人と推薦候補1人を発表した。
「生方の乱」に続く「前原の乱」となるか―。民主党代表経験者2人によるダメ出し合戦が勃発(ぼっぱつ)した。
発端は、閣議後の前原国交相の談話だった。小沢幹事長が掲げる「改選2人区への複数候補擁立」の方針に「内閣支持率が70%あった時に決めたことで、環境は変わっている。大きな疑問を持っている」と異論を表明した。政治とカネの問題などで民主党人気は低下しており、鳩山政権の支持率は40%を割り込んだ。党内に渦巻く「複数候補擁立で共倒れするのでは」という不安感を、代表して口に出した形だ。
以前から「反小沢」の筆頭格として知られる前原氏。参院京都選挙区(改選数2)について、現職に続く2人目の候補者として河上満栄衆院議員(比例近畿ブロック)の擁立を発表したことでプチッ。前原氏にとって京都は地元でもあり、衆院議員に欠員を生むことも覚悟で参院にくら替え出馬させることに「国民の理解が得られるのか疑問だ」と反発した。
一方、強硬路線を貫く小沢氏は「前原発言」に対し、すぐに反論。水戸市の会見で「2人区で民主、自民各1人という選挙戦が本当に良いのか」と従来の方式を逆に問題視。さらに「私が民主党代表を前原氏から引き継いだ時(06年4月)は、10%を切る党支持率だった」とイヤミを交え「今は下がったというが、自民党より高く国民の支持を得ている」と方針の正当性を強調した。
そして夕方の定例会見では、第2次公認候補を発表(福島、茨城、長野、静岡、京都の5選挙区で2人目の候補を擁立)した後、再び前原氏について問われると「あの~、前原君が言ったのか誰が言ったか分かりませんけど」とトボケつつ「党としての方針に『しんどい』ということはあっても『おかしい』とか異論を出す所(選挙区)はないと思います。ごくごくごく一部、1件だけ」とピシャリ。前原氏を異端児と位置付け、党内での求心力は失っていないとアピールした。
7月と目される参院選まで残り3か月。小沢氏と距離を置く中堅議員は「党運営だけでなく、得意の選挙戦略にまで批判が出たのは“選挙の小沢”の金看板がはげてきた証拠」と語る。小沢支持派と反小沢派の溝が深まり国民の前に明らかになれば、選挙結果にも影響を与えそうだ。
(2010年4月3日06時02分 スポーツ報知)
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