亀田家、北村弁護士で史郎氏の処分配慮求める…暴言問題ＪＢＣに上申書提出

　プロボクシング前ＷＢＣ世界フライ級王者・亀田興毅（２３）＝亀田＝がポンサクレック（タイ）に判定負けした２７日の世界戦後に父・史郎氏（４４）が暴言を吐いた問題で亀田ジムは２日、日テレ系の人気番組「行列ができる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士（５４）らの名で日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）に上申書を提出し、ＪＢＣが検討する処分の配慮を求めた。史郎氏は３日にもＪＢＣに出向き、謝罪するとみられる。

　追放を含めた重い処分が科される可能性がある史郎氏の暴言問題で、亀田陣営が動いた。上申書は、ジムの顧問弁護士の北村弁護士らの名前で報道機関にも送られた。

　Ａ４用紙計６枚に及ぶ書面の内容は、控室での「おのれの首とったる」などの史郎氏の暴言に関し、まず「一部不穏当な発言があったことは事実」と陳謝。一方で、史郎氏が激怒するきっかけとなった〈１〉試合の立会人を務めるタイ人とポンサクレック陣営の試合前夜の密会〈２〉５回のバッティングの減点の処理―などについて触れている。

　亀田陣営がホテルで張り込み、密会行動を発見するまでの過程を詳細に説明した上で「王座統一戦の公正性が著しく疑われる事態」と指摘。減点をめぐってはもう１人の立会人であるＪＢＣの安河内剛事務局長（４９）ら運営側の対応の不手際に疑問を呈している。

　書面の最後では再び史郎氏の暴言をわび、「抗議に至る経緯について十分に勘案いただきたい」とＪＢＣが検討する処分の“軽減”を求めた。さらに、史郎氏は３日にもＪＢＣを訪れ、直接謝罪するとみられる。

　ただ、ＪＢＣは騒動を繰り返す史郎氏に断固たる措置をとる可能性が高い。管理責任がある五十嵐紀行会長（３５）が現場で同調して抗議したことも重要視。倫理委員会は７日にも開かれ処分を下す見通しだが、亀田一家の先行きは暗そうだ。

　◆亀田―ポンサクレック戦の騒動　興毅は５回、偶然のバッティングにより右目尻から出血。レフェリーは試合を２回止め、ポンサクレックを１点減点とした。勝負は判定となり、１１４―１１４、１１２―１１６、１１２―１１５の０―２で興毅はプロ初黒星。しかし、レフェリーが試合後、亀田陣営に５回の採点に関して２点減点と伝え、後に発言を撤回したことで父・史郎氏が激怒。立会人を務めた安河内事務局長やレフェリーに怒りをぶちまけた。