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◆広島4─5巨人(2日・マツダスタジアム) 試合前の巨人に衝撃が走った。木村拓也内野守備走塁コーチ(37)がシートノック中に「くも膜下出血」で突然倒れ、広島市内の病院に緊急入院。首脳陣とナインは全員で手をつなぎ、回復を祈って広島戦に臨んだ。主砲ラミレスが5回、同点2号3ランを放つと、7回には決勝3号ソロを左翼席にたたき込んだ。先発ゴンザレスは7回まで粘りの投球で7安打4失点と今季初勝利をマーク。気持ちを一つにしたGナインが今季初の連勝で、開幕戦以来の貯金1とした。
あまりにも突然だった。午後5時40分頃だ。広島戦を前にしたシートノック。ノックバットを振ろうとした木村コーチに異変が起こった。右手にボールを持ったままよろめき、左手のバットを地面に突くようにして前のめりになり、本塁付近で額から倒れ込んだ。場内はあっという間に騒然となった。近くにいた捕手の鶴岡が駆け寄った。さらに阿部、小笠原、チームトレーナーらが次々と駆け寄った。
首脳陣やナイン、チームスタッフら約30人がぐるりと囲む中、木村コーチは起き上がることができない。試合時の球場に常駐する医師が、AED(自動体外式除細動器)、心臓マッサージ、人工呼吸などを行ったが変化もない。まもなく到着した救急隊員の用意した担架に乗せられ、倒れてから約10分後、広島市内の病院に緊急搬送された。
診断の結果は「くも膜下出血」。そのまま入院した。チームは1日まで横浜スタジアムで、横浜とナイターで3連戦を戦った。この日は、広島へ移動してのナイターだった。関係者によると、広島にも長く在籍していた木村コーチは、午前中に広島入りし、市内の自宅へ立ち寄った後、球場入りしたという。試合後も自宅に戻る予定だった。
試合開始まであと約20分という時の出来事に、巨人ナインも動揺を隠せない様子だった。いったん全員がベンチ裏へ下がり、手をつないで輪になった。そこで原監督が自ら「我々は祈るしかない。祈ろう。これ(輪)が解けた瞬間から、試合に集中しよう」と語りかけ、再びグラウンドへ。予定より3分遅れ午後6時3分にプレーボールとなった。
試合は2回に4点のビハインドを背負ったが、松本のタイムリーやラミレスの2打席連続アーチで逆転。最後はクルーンで逃げ切ったが、試合後の選手はみな硬い表情だった。誰もが木村コーチの容体を気にかけていた。原監督は「もう我々は祈るしかないですね」と悲痛な表情。阿部主将は「悲しいし、言葉が出ない。元気で帰ってくることを祈って、明日も頑張りたい」と気丈に話した。今は、快方に向かうことを願うばかりだ。
◆木村 拓也(きむら・たくや)1972年4月15日、宮崎県生まれ。37歳。宮崎南高から90年ドラフト外で日本ハム入団。95年に広島、06年途中に巨人へ移籍。投手以外の全ポジションをこなすマルチプレーヤーとして、プロ19年間で1523試合に出場。通算は打率2割6分2厘、53本塁打、280打点。昨季限りで現役を引退し、今季から1軍内野守備走塁コーチに就任した。173センチ、75キロ。右投両打。
◆くも膜下出血 脳を覆う3層の膜のうち、くも膜と軟膜との間に脳内の血管が裂けて出血が広がるもの。発症者の多くは脳動脈瘤(りゅう)と呼ばれる、動脈のコブが裂けての出血と考えられる。激しい頭痛や嘔吐(おうと)が典型的な症状で、けいれんなどで意識不明となる場合もある。最初の出血量によって、その後の経過が決まる。手術が成功しても、重大な後遺症が出る可能性がある。
(2010年4月3日06時04分 スポーツ報知)
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