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魔が差した…若林元農相 投票ボタン代打で辞任

参院議員を辞職後、バッジを外して記者会見する若林正俊元農相
参院議員を辞職後、バッジを外して記者会見する若林正俊元農相
Photo By 共同

 自民党の若林正俊元農相が2日、参院本会議採決で青木幹雄前参院議員会長の投票ボタンを代わりに押した責任を取って議員辞職した。記者会見で事実を認めた上で「魔が差したとしか言いようがない」などと釈明。自民党政権時代、閣僚らの不祥事が起こるたびに「代役」を務めてきた若林氏が「代返」で辞任に追い込まれた。

 議員生活は最後の最後まで“代理”だった。

 若林氏は3月31日、参院本会議で2010年度NHK予算承認案採決の際、隣席の青木氏が議場から外に出ている間にボタン投票を代行。この模様が写真撮影され、民主党が1日、懲罰動議を提出した。

 若林氏は同承認案を含め、高校無償化法案など計10法案の採決で身代わり投票したことを認め「青木氏が席に戻ると思ってボタンを押した。(青木氏の)依頼は受けていない」と説明。「責任の重さを自覚し辞職願を出した。魔が差したとしか言いようがない」と謝罪した。

 青木氏は記者団から「依頼したのか」と問われると「驚いている。そんなばかなことはあるわけがない」と否定した。

 1日の問題発覚から辞職まで迅速な対応だったが、若林氏は昨年12月、すでに今夏で引退すると表明。自民党は夏の参院選長野選挙区に若林氏の秘書で長男の健太氏(46)を擁立することを決めている。

 若林氏は06年9月発足の安倍内閣に環境相として初入閣。07年5月、当時農相だった松岡利勝氏が自殺したことを受け、農相の臨時代理を5日間務めた。

 同8月、農相の後任の赤城徳彦氏の更迭で農相と環境相を27日間兼任。さらに同9月、赤城氏の後任として農相になった遠藤武彦氏が辞任した際も再び農相に就任した。

 また、昨年9月の特別国会での首相指名選挙では、自民党の新総裁が決まっていなかったため、両院議員総会長の若林氏に投票した。

 自民党としては今回の迅速な対応は政治とカネ問題に対し明確な政治責任を示さない民主党、鳩山政権をけん制する狙いもあるが、執行部批判に揺れる谷垣禎一総裁にとって大きな痛手となりそうだ。

 ▽押しボタン投票 1998年に参院本会議で始まった。各議席に賛成の白色、反対の緑色、取り消しの赤色の3ボタンが横に並ぶ。投票結果は自動集計され、議場内の表示盤で直ちに表示される

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年04月03日 ]

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