2010.4.2 05:00
トヨタ自動車が世界中で800万台のリコール(回収・無償修理)問題の打撃に苦しむ一方で、米ゼネラル・モーターズ(GM)は流れを自らに引き寄せる体勢を整えている。GMのボブ・ルッツ副会長(78)が語った。
同副会長は3月31日、ニューヨーク国際自動車ショーでインタビューに応じ「われわれは計画のかなり先を行っており、ますます好調だ」と述べ「トヨタが神のごとき地位を取り戻すことは二度とないだろう」との見方を示した。
GMとトヨタは、ともに3月の米国内の販売台数が前年同月比で増加することを明らかにしている(正式発表は日本時間2日)。両社とも、3月には販売キャンペーンを強化した。「レクサス」や「サイオン」を含むトヨタの2月の販売は、意図しない加速に関連した不具合をめぐるリコール実施に伴い、前年同月比12%減少。GMは同13%増だった。
ルッツ副会長は自動車業界で47年間のキャリアを築き、5月1日付でGMを退職する。同副会長は、2008年にGMを抜いて世界最大手に成長したトヨタの品質や製造技術に敬意を払ってきたが、最終的に同社のステータスが上がりすぎたと指摘する。ルッツ副会長は「これまでトヨタは30メートルくらいの高さからわれわれを見下ろしていたが、これからは他社に混じり地べたで戦うことになる」と述べた。
ルッツ副会長によれば、GMは「シボレー・エキノックス」などの新モデルが利益率拡大に寄与していることから、キャッシュフローと収益率が予想以上のペースで改善している。また、昨年の政府主導による会社更生手続きを通じた再編により、コストが大幅に削減されたという。