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教科書検定:アイヌ文化のページ大幅増

 30日に検定結果が公表された小学校社会科教科書で、アイヌ文化を紹介するページが大幅に増えた。アイヌ民族を先住民族と認定するよう政府に求める08年の国会決議を受け、各教科書会社が充実を図った。

 すりつぶした芋にイクラを添えた料理、自然木と茅(かや)を使った家屋「チセ」の写真。東京書籍の社会(5年上)は「国土の気候の特色と人々のくらし」の項目で、アイヌの風習や伝統文化を見開き2ページにわたって紹介した。編集者は「(偏見や差別の問題を)国民全体の課題として、記述を格段に増やした」と明かす。

 光村図書出版(6年)は、明治政府の北海道開拓に始まる苦難の歴史を紹介するコラム「アイヌ民族のほこりを」を新たに盛り込んだ。編集者は「国がはっきり動くと、取り上げやすくなる」とした上で、「いまだに『日本は単一民族』と間違える人もいる。先住民族の文化をしっかりと押さえるべきだ」と意図を語った。

 ◇毎日新聞公募の賛歌も合格

 今回の教科書検定で、毎日新聞社の植樹キャンペーンで歌詞を紙上公募して作られた森づくり賛歌「僕にできること」が掲載された小学5年用音楽教科書(教育芸術社刊)が合格した。07年5月に公募し、最優秀作品を原案に、「四季の歌」などの作詞で知られる荒木とよひささんが作詞、「マツケンサンバ2」などを作曲した宮川彬良さんが作曲し、同10月に発表された。

 ソプラノ歌手の雨谷麻世さんが歌うCDも全国で発売。08年6月の秋田県での全国植樹祭でも式典前に雨谷さんが披露した。【山本悟】

毎日新聞 2010年3月30日 21時28分(最終更新 3月30日 23時47分)

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