【インタビュー】
怪獣好きが高じて実現に至った「一人マーチャンダイジング」とは--テレビ・ディレクター喜井竜児氏に聞く
1 心に怪獣が棲みついていた
2007/09/28
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巨大な肉体と圧倒的なパワーで、文明社会を容赦なく蹂躙する怪獣たち。その恐るべき迫力は、多くのファンを魅了している。地方局のテレビ・ディレクターでありながら、怪獣ファンとしての活動で、その名を全国に知られる喜井竜児氏。屈指の怪獣ファンである氏が提唱する「一人マーチャンダイジング」とは何か。イベント出演のため上京した氏に、お話をうかがった。
――最初にご覧になった怪獣映画は、何でしたか?
「親に連れて行ってもらった怪獣映画で憶えてる最初の作品は、『ガメラ対大悪獣ギロン』ですね。当然、テレビでは『ウルトラマン』の再放送などを観てるわけなんですけど、地元の400人ぐらい入れる映画館のすごい大きな画面で、『いきなり怪獣観た』っていう記憶があって。その当時、うちはまだテレビが白黒だったんですけれども、それが映画館では総天然色、大画面、周り真っ暗の中に怪獣しかいないわけでしょ。しかもギロンて……あのナタみないな頭で、ガメラをバンバン斬っていく。だから、怪獣映画に引き込まれたのは、ギロンですね」
――では、ギロンに影響を受けて、怪獣好きになられたと。
「いや、その前から。自分じゃ、いつから観始めたのか憶えてないんですけど、『ウルトラマン』でも『ウルトラセブン』でも、当時は子ども向け番組って、まだコンテンツが少ないから、どんどん再放送されてましたからね。そういうのが下地みたいにね、どんどん積み重ねられたものはあったと思うんですけれども。それに当時は、お弁当箱にも怪獣、お箸にも怪獣のイラスト、っていう時代でしょ。だから怪獣っていうものが、自分の生活の中にあったわけですよ。出会い、というのじゃなくて、身の回りにあって当たり前、という環境の中で育ちましたからね」
――コレクションなどもされていましたか?
「もともと、僕は、ソフビ(ソフトビニール製)怪獣が大好きだったんです。ソフビ怪獣が、自分の趣味の原点なんです。ところが、母があの臭いを嫌ってたんですよね。独特の臭いがするでしょ。今のソフビは臭わない素材になってますけど。だから、『こういうオモチャはやめてくれ』って(笑)。高校を卒業してアルバイトするようになってから、買いそろえていったんですけれども、当時買ってもらえなかったものを今も買っているって感じですね」
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