外為特会の為替評価損、過去最大の24兆円超 円高で
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民主党が新たな財源として期待している「外国為替資金特別会計（外為特会）」で、為替評価損が2009年度に24兆円超と過去最大に膨らんだことが、財務省の調べで明らかになった。積立金から為替評価損を差し引いたベースでも14年ぶりに「赤字」に陥り、赤字幅も最大になった。鳩山政権は子ども手当などマニフェスト（政権公約）の実現に向け、特別会計を積立金を含めて洗い出し、財源を確保しようとしているが、評価損の拡大は逆風となる可能性もある。 日本政府の外貨資産は、03年から04年にかけて実施した大規模な円売り・ドル買い介入を受けて急増した。政府はこうした外貨を米国債などに投資して運用している。ただ保有する外貨資産は、政府が円売り介入をした時より円高になると、外貨の価値が下がって評価損が出てしまう。 09年度は世界的な金融危機の余波や米国の超低金利政策の長期化などを背景に、円相場が一時、１ドル＝84円台と約14年ぶりの水準に上昇した。ユーロなどほかの主要通貨に対しても円高が進行。外貨資産の評価損（基準レートは１ドル＝約93円）は24兆円超と、08年度の約1.8倍、07年度の約7.4倍にまで拡大した。 評価損の拡大で、外為特会としての赤字も過去最大の3.8兆円に膨らんだ。政府はこれまで金融機関などに短期の借金をして円を調達、円売り介入をしてきた。こうした借金の利払いがその年の運用益でまかなえなくなる場合に備え、政府は運用益を積立金（09年度で20.6兆円）としてためているが、09年度は評価損がこの積立金を超える額まで拡大した。 評価損は外貨資産を売るなどして円建てに戻すまでは実現損にはならずに済む。だが外為特会の財務内容が悪化しているのは確かだ。市場関係者は「会計上健全でない外為特会を、景気対策などの財源として使うことには慎重であるべきだ」と指摘する。 菅直人副総理・財務相らはマニフェスト実現に向けて、特別会計の積立金を含めた「霞が関埋蔵金」を洗い出す考えを示している。ただ財務省は外為特会の積立金について、資産規模の３割（30兆円超）が適正水準としており、現在は10兆円以上の積立不足の状態にある。円相場はこのところ円安傾向にあるとはいえ、今後の埋蔵金論争にも影響を与える可能性がある。 |
メガバンク、大手証券等の米国国債保有高も公表して欲しい。預金者等にもリスク管理情報を下さい。
2010/4/2(金) 午前 9:11 [ sakura（Ｍ） ]