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北秋田市民病院:開院 医師と病床、予定の半分 厳しい運営必至 /秋田

 ◇新年度スタート

 北秋田市下杉に1日、県内初の公設民営方式となる北秋田市民病院(指定管理者・JA秋田厚生連)が開院した。ただ医師が当初計画の31人に対し15人しか集まらず、稼働病床数も予定の55%の177床で厳しい運営は必至。指定管理料を含む市負担金は初年度に6億円を超え、現状では次年度以降も多額の財政支出が避けられないなど課題山積の中での船出となった。【田村彦志】

 新病院の診療科目は21科。厚生連北秋中央病院▽公立米内沢総合病院▽市立阿仁病院--の市内3病院を統合再編し、事業費92億円で建設された。外来診療開始は5日となる。

 開院に伴い、前身の私立鷹巣病院以来81年の歴史を持つ北秋中央病院は3月31日に閉院。米内沢総合病院は診療科目を3科に削減し、病床も療養60床のみとなった。

 この日は北秋中央病院からの転院作業があり、北秋田署、市消防本部や陸上自衛隊などが協力。患者輸送車や救急車などで入院患者77人を運んだ。

 市は10年度一般会計当初予算に指定管理料4億1000万円、政策的医療交付金2800万円に加え常勤医勤務奨励金1900万円を盛り込んだ。さらに市議会で05年に策定された市の医療体制が現実に合わないとの指摘があり、市も見直す方針を示している。

 病床稼働率向上が最大の課題で、津谷永光市長は「経営改善に向け、まず解消しなければならないのは医師不足。厚生連とともに、最優先に取り組む」と説明した。

 北秋中央病院前で転院作業を見守った同市坊沢の渡辺トシさん(77)は「市民病院は遠くて簡単に利用できなくなる。中心部から病院がなくなるのは寂しい」。60代の別の市民は「早く医師不足を解消し、不安なく利用できる病院を目指してほしい」と話していた。

毎日新聞 2010年4月2日 地方版

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