将来、父や母のような家庭をつくりたいとは思わない――。「援助交際」にかかわった少女らの7割近くがこう考えていることが、愛知県警の調査でわかった。無作為に尋ねた同世代の少女と比べて圧倒的に多く、「家の居心地の悪さから夜の街に出て、事件に巻き込まれている」と少年課は分析している。
調査は、13〜19歳の計100人の少女に昨年5〜6月、書面でおこなった。対象は児童買春事件の被害者や、売春相手をインターネットで募ったとして出会い系サイト規制法違反容疑で摘発された少女ら。比較のため、同世代の少女100人にも県内のイベント会場で同様に尋ねた。
事件にかかわった少女のうち、「将来つくりたい家庭は父母らのようなものとは違う」と答えたのは67人で、同世代少女の18人を大きく上回った。46人が「親から放っておかれることが多かった」と答え(同世代少女9人)、親から暴力を受けた少女も36人(同7人)に上った。
深夜はいかいについての問いでも、大きな違いがあった。帰宅時間について、「午後9時まで」と答えた同世代少女が77人だったのに対して、事件にかかわった少女は約半数の34人だった。38人は午後11時以降まで遊ぶと答えた。
こうした少女らに的を絞った本格的な意識調査は初めて。
同課は調査結果を4月中旬から、県警のホームページ(http://www.pref.aichi.jp/police/)で公表。県教育委員会などを通じて各家庭に子どもの居場所作りを呼びかける。(工藤隆治)