哨戒艦沈没:「北による攻撃の可能性、6-7割以上」

北の攻撃だとしても、証拠はあるのか

原因解明は引き揚げ後

 国防部と軍当局は哨戒艦「天安」の沈没原因について、公式には調査が必要との立場だが、内部では北朝鮮による攻撃の可能性が高いとみている。

 軍の幹部関係者は1日、「向こう(北朝鮮)の一撃を受けた可能性が60-70%以上と考えるが、果たして証拠はあるだろうか」と語った。これまでの状況や調査の結果、内部爆発の可能性は低く、外部の衝撃だったとしても、機雷よりは魚雷の可能性が高いと見られているからだ。先月30日、李明博(イ・ミョンバク)大統領がペンニョン島の事故現場を訪問した際、「機雷が爆発したとしても、痕跡は残るのか」という李大統領の質問に対し、金盛賛(キム・ソンチャン)海軍参謀総長は、「引き揚げてみなければ分からない。魚雷の可能性も排除できない」と答えた。大統領が聞いてもいない「魚雷の可能性」に言及したのは、その可能性に重きを置いていることを示唆する。金総長は当時、弾薬庫は爆発していないと報告した。

  金泰栄(キム・テヨン)国防長官も、国会国防委での答弁で、「(北朝鮮の)半潜水艇も魚雷2発を積んでおり、適正距離で(発射が)可能。その可能性も含めて検討している」と述べた。

 今回の事故に対する軍の見方は、「天安」沈没直後の状況対処にも表れている。 事故直後、第2艦隊司令部は海上警戒態勢を最高レベルのA級に格上げし、哨戒艦「束草」を北方限界線(NLL)近くに前進配備した。「束草」が先月26日午後10時55分ごろ、レーダー上に現れた異常物体を北朝鮮の半潜水艇と見なし、76ミリ艦砲を130発以上も発射する「撃破射撃」を行ったことからも分かる。

 このような軍内部の見方について、北朝鮮が果たして金正日(キム・ジョンイル)総書記の中国訪問と6カ国協議の再開を前に、無理な挑発をする理由があるのか、という疑問も提起されている。ある前職の海軍参謀総長は、「北朝鮮は2002年、サッカー・ワールドカップの熱気が最高潮に達したとき、予想外にも第2延坪海戦という挑発を行った。北朝鮮の行動は常識的に理解しがたい部分も多い」と語った。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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