刑務所を出所後、自立が困難な高齢者や障害者の社会復帰を支援する「県地域生活定着支援センター」が1日、津市城山に開設された。刑期を終えても生活苦が原因で再び罪を犯し、刑務所に戻る人は後を絶たない。センターは住居探しや生活保護の申請など受刑者の“再出発”を助ける。
厚生労働省が都道府県に設置を求めている施設で、ことし2月末時点で岐阜、静岡など11県で開設された。三重では県の委託を受けた県社会福祉士会が年間1700万円の事業費で運営する。
社会福祉士らのスタッフは身寄りのない65歳以上の高齢者や障害者と服役中から面会を重ねる。住居や福祉施設、ヘルパーを手配し、住民登録や生活保護申請など出所後の支援もする。
法務省の調査では、2006年に出所した約3万人のうち、親族などの受け入れ先がない高齢者と障害者は1000人に上る。県障害福祉室の担当者は「生活の困窮で万引や無銭飲食する人が目立つ。福祉サービスの受け方を知らない人も多いので、センターには橋渡し役になってほしい」と話している。
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