哨戒艦沈没:北の潜水艇は基地を離れたのか
哨戒艦「天安」の沈没と北朝鮮の関連を示す重要な状況証拠の一つは、北朝鮮の潜水艦や潜水艇、半潜水艇の動きだ。沈没の原因として、魚雷もしくは機雷の攻撃を受けた可能性が挙げられており、こうした作戦を遂行する場合、動員されるのは潜水艦(艇)だからだ。
潜水艦は通常、排水量300トン以上、潜水艇はそれ以下だ。半潜水艇は潜水艇より小さく、水深20メートル以内か水中に半分ほど潜水し、水上に60センチほど露出したまま進む。
今回の事件における関心事は、「天安」の沈没事故が発生した先月26日前後の北朝鮮の潜水艇および半潜水艇の動きだ。国防部は1日、定例会見で「ペンニョン島に隣接した北朝鮮の海軍基地で事故発生日(26日)前後、北朝鮮の潜水艦(艇)が数日間見えなくなり、再び復帰したといわれているが、事実か」という質問に対し、「現時点では、当時、事故近隣地域で北朝鮮の潜水艦(艇)の活動は発見されていない」と答えた。基地から潜水艦(艇)が消えた事実があるかとの質問について、事故現場周辺で潜水艦(艇)の活動はなかった、という的外れな回答だった。軍事情報に関連する微妙な事案について明確に答えることができないため、的外れな回答をしたとみられる。もし、基地周辺で潜水艦(艇)が消えた事実がなければ、「消えたことはない」と即答したはずだ。
一部では、潜水艦は活動状況を把握できるが、それより規模が小さい潜水艇は、人工衛星などでも動きが分からないという見方が出ている。しかし、韓米情報当局は米国のKH12偵察衛星やU2 偵察機などで北朝鮮の潜水艦基地を集中監視しており、北朝鮮の潜水艦はもちろん、潜水艇、半潜水艇が基地に停泊しているかを把握できる。国防部もこの日の定例会見で、「侵入手段である潜水艦(艇)、半潜水艇といった北朝鮮船舶の動きは徹底的に追跡、管理している」と語った。北朝鮮の潜水艇はユーゴ級が代表的で、全長20メートルになる。半潜水艇は同9-12メートルだという。米偵察衛星は、15センチの大きさの物体も識別できるため、埠頭に停泊中の半潜水艇も識別できる。毎日追跡していれば、何日間基地から離れて、また戻ってきたということも分かるという。ただし、北朝鮮の潜水艦(艇)が水中で動いた場合、偵察衛星やU2偵察機では探知できず、半潜水艇が水上に船体を少しだけ出した状態で侵入する場合も、探知は難しい。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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