哨戒艦沈没:相次いで訂正される事故発生時刻

またも訂正された「軍発表の沈没時刻」

 哨戒艦「天安」の沈没時刻が次第に早まっている。軍当局の発表時刻はこれまで先月26日「午後9時45分」だったが、「午後9時30分」、「午後9時25分」と訂正されたのに続き、1日には「午後9時22分」になった。しかし、一部ではこれよりも早い「午後9時15分」と主張されている。

 首相室の状況室が事故当日の午後10時48分に職員に送った携帯メールには、「午後9時15分、哨戒艦が沈没している」という内容が含まれていた。首相室関係者は、「国家情報院から9時45分と通報を受けたが、メールを送る過程で入力を間違い、タイプミスがあった」と弁解した。

 国会と海洋警察からも、事故発生時刻は午後9時15分だったという指摘が出ている。国会国防委員会の関係者は、「海軍作戦司令部が先月26日午後9時55分に合同参謀本部に公式報告した文書には、天安の沈没時刻は9時15分と書かれている」と話した。この関係者は、「こうした内容を軍当局から報告を受けた」と明らかにした。

 先月28日に海洋警察が出した報道資料にも、「午後9時15分ごろ、哨戒艦が沈没した」と書かれている。海洋警察の関係者は「海軍から状況発生資料を受け取り、報道資料を作成した。発生時刻に対する海洋警察側の立場に変わりはない」と話した。

 また、民主党の李鍾杰(イ・ジョンゴル)議員は、「天安」の乗組員で行方不明者の一人が先月26日午後9時16分に父親と電話で話し、「緊急状況です。今現在、電話をするのが難しいです」と話したと公開した。午後9時16分以前に、「天安」に非常事態が発生したことを示すものだ。

 正確な沈没時刻は、初期の救助対応が適時に行われたか、また船尾部分がいつ分離したのかを判断する重要な要素になり得るため、沈没原因と共に今回の事件の最重要事案だ。

 発生時刻の証言がばらばらだった点も混乱を増幅させた。「天安」の艦長チェ・ウォンイル中領(中佐に相当)は先月27日に「午後9時25分」と証言したが、翌日には「午後9時22分」と訂正した。また、「天安」の砲術長であるキム・グァンボ大尉が第2艦隊司令部状況班長のキム・ドンヒョン少領(少佐に相当)に携帯電話で報告した時刻は、「午後9時26分」と「午後9時28分」で錯綜している。

 船首部分だけを残した「天安」が沈没する過程や生存乗組員の救助時刻などについては、意見に大きな違いはない。

 事故直後、ペンニョン島駐屯海兵隊の見張り兵が熱戦監視装備(TOD)で撮影した動画には、真っ二つになった「天安」が鮮明に映っている。この動画の最初の撮影時刻は「午後9時26分27秒」だ。船尾部分はすでに海中に沈没したということを確実に示す場面だ。

張一鉉(チャン・イルヒョン)記者

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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