貧乏サヴァラン

July 17, 2007

ひと手間かける、森茉莉流おいしいものの作り方

バタバタと日を過していたので、なかなか更新できなかった。だが、今、森茉莉関係のページを別のサイトに今移動中。これから、このページでは主に森茉莉関係の仕事の進行状況、ニュース等を取り上げ、食べ物、カフェ、森茉莉本の関係は、Atelier.Sumire.Gingetsu Books のページで取り上げるつもりだ。

新しい森茉莉本については4月に脱稿したが、その後、資料整理、ページ数の関係による追加原稿、その他モロモロがあり、今もある種作業が続いている。
一人の作家と向き合うことはこの上なく幸せなひと時だが、同時にとてつもないエネルギーを必要とするものでもある、というのがこの日々の中での実感。特に森茉莉のような本ものの作家に向き合うことには、何倍も幸せを感じると同時に、つねに追いかけているような苦しさを感じ(というのも、ちょっと目を離すと見失ってしまうからである)、見失わないようについて行くので精一杯、と言いつつもついて行けてるのかどうかも疑問なのだが。

そうした時間、日々の中で、森茉莉の「食」と向き合うことは、文句なしに楽しく、充分なスタミナ補強になる。で、暇さえあれば、『貧乏サヴァラン』を開いて「私のメニュー」を読み返したり、手作りの「森茉莉 ご馳走手帖」を開いてみたりしている。
ところで、森茉莉が「コロッケ」について書いたエッセイがある。全集未収録だが、何とも美味しそうなエッセイである。
天晴れなのは、淡島通りの肉屋に出かけ、毎日コロッケを十個買っていたということだ。十個で二食分だと書いているので、一回に五個食べていたのだろう。『甘い蜜の部屋』執筆中の日々でのことである。忙しいのでごはんの支度に時間をかけていられるような状況ではなかったようだが、食いしん坊なので、「美味しいものでごはんを食べないと、小説がうまく行かない」からと、コロッケを買い、それをより美味しく食べるためのひと手間をかけて、食べていた。
実は、この「ひと手間」というのが実に森茉莉流なのである。サラダも、コーラも、おかずも、彼女ならではのひと手間の後、貧乏サヴァランの舌を満足させるものとなるのである。




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February 22, 2007

森茉莉の好きだった食べ物 ちりめんかまぼこ 鯛酢

森茉莉が白川宗道さんにリクエストしたお正月用の食べ物のリストの中にあったのがちりめん蒲鉾。その時、白川さんは方々探したもののこのかまぼこは見つからず、結局小田原のかまぼこを買って持って行ったらしいのだが、チリメンかまぼこってどんなものなんだろうと興味が湧いた。調べてみたら、坂井屋という会社でそのかまぼこを作っていることが分かった。坂井屋のそれは、広島特産「音戸ちりめん」を魚のすり身に練り込み、広島特産「広島菜」をトッピングした二層のかまぼこ。美味しそうだったので購入してみようかな、と思ったのだが、保存料が使われていることが分かり、がっかり。どこかで保存料を使っていないちりめん蒲鉾が見つかったら食べてみたいと思う。
また、『ひともする古都巡礼を』を京都に行かないで書くことになったことにより、京都に行ったらもう一度食べたいと思いつつあきらめたものの一つが、「小塚さんという編集者の人にもらったことのある、小さい樽に入った「鯛す」」だった。これは、一般的に「小鯛の笹漬け」と呼ばれている若狭・小浜名産の珍味。京都ならデパートでも、スーパーでも、錦市場でも、簡単に購入出来るが(東京ならデパートで売っているはず)、これはかなり森茉莉好みの美味しい上品な食べ物。会社によって微妙に味が違う。
小浜海産物
田村長
津田孫



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mariemori at 14:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!