宮島街道にしひがし
宮島街道を行く
太田川放水路以西の広島市西区・佐伯区・廿日市市の地元西広島地区を東西に結ぶ宮島街道。古くは江戸時代に発達した西国街道と沿岸部の埋め立てで生まれた新しい土地とが重なって発展してきました。過去には、漁業を中心に多彩な産業が起こり、多くの人たちの生活を今も支えています。私たちの暮らしに欠くことのできない基幹道と周辺の魅力を、懐かしい写真と共にお伝えします。

ズッコケ3人組の石像
子どもたちに読み継がれている「ズッコケ3人組」シリーズ(ポプラ社)のモデルは、地元己斐地区。JR西広島駅前には登場人物3人のオブジェがあります。写真は、地元出身の作者・那須正幹さんです。地区内では、作品に登場する場所のモデルを歩くマップを作るなどしてまち興しを進めています。

別れの茶屋
江戸時代にはあったといわれる茶屋です。草津の港方面と西国街道へ向かう道との分かれ目にありました。今は、パンを中心に手作りの餅などを作っています。右は蒸気機関車の走る昔の様子です。
●別れの茶屋 広島市西区己斐本町3丁目9−10

旧国鉄己斐駅原爆碑
川本俊雄さんの撮影した現JR西広島駅の被爆後の惨状写真を銅板にしています。駅前交番の前にひっそり立っています。

原爆被爆給水(タンク)塔
れんが積みの塔は、原爆禍に耐え姿をとどめています。今は、園芸店の敷地内にあり、春から夏にかけては、緑色のツタでお色直しです。
●己斐ガーデンスクエア 広島市西区己斐本町3丁目12-15TEL(082)507・8787

坂井屋
創業100年を超すかまぼこ・てんぷらの老舗。かつて漁業の栄えた草津らしく、練り製品が伝統的です。
紅白かまぼこ・厚焼きはもちろん、カステラのようにふんわりした食感の「テラ」、裏ごしした卵の黄身を乗せた色鮮やかな「ヒバリ」、砕いたゆで卵を練り物で巻いた「岩石」など草津ならではの昔ながらの味があります。正月前は大忙し。早めに来店を。
●坂井屋 広島市西区草津本町6-3TEL(082)271・3304

西国街道のマツ
●まつのき薬局
広島市西区井口3丁目13-10
TEL(082)278・0403
交通の要衝西国街道には、しるべのマツがたくさん植えられていました。井口のマツは1983(昭和58)年に道路拡幅のため、伐採されましたが、切り株は、すぐそばの「まつのき薬局」に保存されています。(わがまち井口・鈴が峰マップより)
「店の名前も分かりやすいようにとマツの木から昔もらいました。古い町並みや歴史が消えていくのが惜しくて、切り株を預かることにしました」と三島としえさん。

10cmくらいの厚みの皮の部分が落ちたからこれでも小さくなったんですよ」。

小己斐明神
宮島街道、広電井口電停の南側にある西部埋立第2公園(広島市西区井口明神2丁目)内に己斐の旭山神社の分神を祀ってあります。写真左は明治ごろで右の島が小己斐明神のよう。
平清盛が厳島神社建立の折に、鈴が峰から切り出した木に刻印を打って筏を組んで送り出したそうで、「刻印の明神」とも呼ばれました。子宝の神様として「子乞明神」とも呼ばれたそうです。
(わがまち井口・鈴が峰マップより)
元は海に浮かぶ島で、周囲を埋め立てたため、今も海水で囲まれ満ち干があります。

広島市西区草津浜町在住
木村秀男さん(77)
原爆の惨劇や草津のカキ養殖の発展などを紙芝居などで表現して活躍中です。今は、江戸時代から盛んになった広島海苔の養殖の起こりから発達拡大、昭和の埋立による漁場消失による衰退までを手掛けています。春には完成させて発表予定だそうです。
絶景! 西広島の初日の出 見るならこの山で
地元西広島地区は市街地からすぐの里山にも名山がたくさんあります。
元旦の初日を望む絶景スポットをご紹介します。装備をしっかり整えてチャレンジを。
大茶臼山(広島市西区己斐 413m)
鈴が峰山(同区鈴が峰 312m)
海老山(同市佐伯区海老園 53・7m)
極楽寺山(廿日市市 693m)
弥山(同市宮島町 535m)
経小屋山(同市大野地域 596・6m)
行者山(大竹市玖波 313・5m)