バルセロナ五輪柔道男子78キロ級金メダルの吉田秀彦(40)が、自身の引退興行「ASTRA」(25日、日本武道館)で、同じ吉田道場所属の中村和裕(31)と対戦することが1日、発表された。中村とは同門の上、師弟対決にもなるが、吉田は「私情を挟まない」と宣言した。
総合格闘技の厳しさを身をもって伝える。この日、吉田と中村は都内で行われた会見に出席。厳しい表情を崩さない中村とは対照的に、吉田は時折、笑顔を浮かべながら、ラストマッチへの決意を語った。
「ここで負けるわけにはいかない。ガチンコでやり合う」。吉田には元PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル(33)=ロシア、中村にはデニス・カーン(32)=韓国=が対戦相手として浮上したが、両者とも合意に至らず、師弟対決が実現することになった。
最後の舞台はアマチュア時代の引退試合と同じく日本武道館。柔道に誇りを持つ吉田は、胴着を身に付けて決戦に臨む。「いい試合になる。楽しみにしてほしい」。柔道王の名にかけて、聖地で完全燃焼する。(江坂勇始)