【モスクワ=副島英樹】モスクワ中心部の地下鉄で39人が犠牲になった連続自爆テロ事件で、ロシア南部・北カフカスに拠点を置く武装勢力のウマロフ指導者がテロ実行を認めるビデオ声明が3月31日、イスラム過激派系のウェブサイト「カフカス・センター」で流された。
ビデオ声明はテロ発生日の3月29日の撮影とされる。戦闘服に長いあごひげ姿のウマロフ指導者が約4分半にわたって登場、モスクワのテロは自らの個人的命令で実行されたと語り、今後もロシア領内でテロ攻撃は続くと強調した。
さらに、テロは1990年代末にチェチェン武装勢力を力で抑え込んだプーチン首相の北カフカス政策への報復だと主張。直接の原因として、チェチェンに隣接するイングーシ共和国で2月11日にロシア連邦保安局(FSB)が実施した特殊作戦を挙げた。
このビデオ声明に対してロシア指導部は反応していない。また、ビデオ声明が流れる前には、ロイター通信がイスタンブール発で、ウマロフ指導者が率いる武装勢力のスポークスマンがテロへの関与を否定したと報道していた。