小沢一郎と「連合」との関係は深く長い。その連合が小沢に反旗を翻し、マスコミが例によってそれを煽った。基本的な情報としては、、、

連合静岡の吉岡秀規会長は31日午後、静岡市で記者会見し、小沢一郎民主党幹事長が参院選の静岡選挙区で2人目の公認候補を擁立したことについて「民主党の支持率を踏まえ、2人の擁立は絶対すべきではない」と反発した。その上で「小沢氏が辞職願を出せば、真剣に検討する」と述べ、小沢氏の辞任を求めた。
 参院選対応をめぐり、同党支持団体の連合幹部が同氏辞任を要求したのは初めて。(時事)

、、、、ということであるが、要は国土交通省で政務官をしている現職・藤本裕司にくわえて、新たに小沢ギャル候補のカワイ子ちゃん・中本奈緒子、つごう二名擁立を「豪腕」が強硬したというだけの話である。まあ、確かに、shizuoka5彼女はただのスズキに勤めるO・Lではあるが、自ら民主党に公募してきており、政治経験はないが工学博士号も、もっている。容姿とともに、そういうところが小沢ごのみではある。民主党県連も二人当選は無理としており、この弱気が静岡県の連合を刺激した。しかし、連合と小沢の対立をもっぱら煽り立てて、いるのはマスコミだけである。連合静岡の吉岡は小沢辞任ぐらいの不退転の決意であれば、「真剣に検討する」という政治的ブラフをかけつつ、もし敗北したときの布石も打っておこうとしているようだ。もっといえばもし負けたときの責任の所在を自分(吉岡)以外に持っていこうとしているにすぎない。実は小沢の独断を責めるのはたやすいが、この敗北主義こそが戦いの最大の敵なのである。野党なれしていない自民党も問題だが、与党なれしていない民主党と支持組織(連合)も「選挙」の勝ち方を知らない。戦とは相手を徹底的に弱め、圧勝するか、負けるかしかないのである。この戦い方をしっているのは、野党も与党も幾多辛酸も経験した小沢一郎しか、残念ながら、いないのだ。そして生きるか死ぬかしかない「選挙」の非情さを、一番理解しているのが、鳩山なのだから「自分で」小沢を切れないのである。

38連合といえば、大昔、連合できたての頃、当時政界のキーマンと玄人筋では人気のあった初代会長・山岸章の自宅を訪ねたことを思い出す。社会党員でもあった彼は、社会党のホープであった横道孝弘を高く買っており「バス(横道)は車庫に入った」として「いつでも出発できる(政権を取れる)」といっていた。そして社会党を細川政権で与党にし、小沢一郎とボス交して、親(三郎)の代から義理のある江田五月を閣僚に押し込むほどの力を示した。ただ社会党員でありながら「反共」という一点で、小沢とは同盟関係にあった。後にその社会党が自民党と連立を組んだとき、裏切られたとしてもっとも怒った人間も小沢と山岸であった。

そういう腐れ縁というか歴史もしらない地方の一組織である連合静岡が、そう簡単に小沢を斬り捨てられないはずである。というより吉岡ごときに命令されなくても、骨を切らせて肉を切る(つまり参院選直前の小沢辞任)戦略は折込済みであり、さきにそれを宣伝されると、辞任効果が薄まるだけである。吉岡やマスコミは自民党がそんなに恋しかったのだろうか。旧政権の回し者といわれても仕方がない。

私自身は感覚的に小沢は嫌いであり、そばにいるだけで吐き気がした。だけれども、彼の角栄譲りの戦術にかなう者は党内には、まだいない。

いくさは攻めて攻めて、攻めまくるしかない。負けることを考えるから、負けるのである。(ただし、これは小沢流・囲碁の世界の話だが)